ガストロノミーアワード 千葉の“食”2社に大賞 佐倉・プレゼンテスギ 館山・須藤牧場 ストーリー性も重視

千葉県の“食”の魅力を表現する飲食店と生産者をたたえる「第1回ちばガストロノミーAWARD(アワード)」の表彰式が千葉市美浜区のホテルで開かれ、飲食店部門ではイタリア料理店「プレゼンテスギ」(佐倉市)、生産者部門は畜産・酪農業「須藤牧場」(館山市)がそれぞれ大賞に輝いた。味に加え、食材・店舗・料理人など食に関する“ストーリー性”も評価するのが特徴で、県内初の取り組みという。
アワードは、県内飲食店関係者らによる「実行委員会」が開催。県の補助事業に採択され、ちばぎん商店などが事務局を担った。ガストロノミーは直訳の「美食学」に加え、文化や歴史を料理に表現するとの意味を含んでいる。
表彰式には両部門でトップ30にノミネートされた県内の飲食店・生産者の代表ら約190人が出席。大賞は会場で発表された。
飲食店部門で大賞に選ばれたプレゼンテスギは、森や山で食材を調達するほか、料理に自然の風景に触発された造形を込めるなど芸術性の高さが評価された。同店の杉岡憲敏オーナーシェフ(43)は千産千消にこだわっているとし「受賞を機に生産者との協力関係をより広げ、千葉の素晴らしさを県外にも伝えたい」と意欲を語った。
生産者部門で大賞の須藤牧場は、館山で4代にわたって続く酪農家。多数の応募があった乳製品の中でも特に質が高く、牛乳の濃厚さやうまみの強さが決め手となった。須藤健太社長(31)は「日本の生産現場の価値向上を目指したい。現場の命や個性に目が向く社会になれば」と話した。
アワードには計500件超が応募し、両部門のトップ30から県内の食や地域に造詣が深い審査員ら7人が大賞を選出した。今後は入賞者らのコラボによる新たな料理開発など企画を進めるほか、同アワードは隔年で実施していく方針。
萩原勇作実行委員長(47)は「多岐にわたる応募があり一つ一つにストーリーがあった。結果を広めて、千葉の食のブランド化を進めたい」と述べた。
特別賞の受賞者は次の通り。
【飲食店部門】グランメゾンW館山美食倶楽部▽中国料理文菜華(株式会社マンダリンモア)▽てんぷら天白▽みささ(株式会社紀伊乃国屋)▽レストランUshimaru
【生産者部門】KURKKU FIELDS▽株式会社さつまいもの石田農園▽館山ジビエセンター(合同会社アルコ)▽株式会社苗目▽房総大井倉蒸溜所(ペナシュール房総株式会社)

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