【動画あり】100円ショップで素材集め完成した「自作ロボット…の画像はこちら >>
ビニール袋を被ったよろよろ歩くロボット。かわいらしい動きが魅力的で、ネットで話題を呼んでいる。だがその中身を見てみると、衝撃の仕掛けが組まれていた…。
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「100均の毛玉取りと竹のおはしなどで #テンセグリティ 構造と #持ち上げておろすと進む機構 を使った体長1mの6脚歩行ロボを作りました」というコメントを添え、6脚歩行ロボットの動画を投稿したのはX(旧・Twitter)ユーザー・片山 均@八幡浜の三瀬医院さん。
黒いビニール袋を被った6脚のロボットが、可愛らしい動きでトコトコ歩いている。癒されるな~と思いながら見ていると、ビニール袋の中身に驚愕。
中身の構造は、これ本当に100均で作ったの!? と思うほどしっかり組んであるものだった。ビニール袋ロボの見た目に反する、皮を剥いだ時の中身の複雑さのギャップに、さらに驚きが隠せない。これは凄すぎる…。
100均の毛玉取りと竹のおはしなどで #テンセグリティ 構造と #持ち上げておろすと進む機構 を使った体長1mの6脚歩行ロボを作りました#tensegrity #毛玉取りロボット #100均ロボ #巨大ロボットプロジェクトhttps://t.co/y5uQous3Ql pic.twitter.com/sHhAjwXXoP
片山 均@八幡浜の三瀬医院 (@katabomb2) February 3, 2024
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片山さんが制作した動画は、ネットで大きな反響を呼んでおり、「これは有機的な何かを感じます!中に先生が入っているのでは‥」「よろよろさが、生きてるみたい」「外皮つきが良きですね!」と、称賛の声が続々と上がっている。
また、「私もこんなロボットを作りたかったのですが、何度か失敗しました。 片山さんには、手頃な価格のロボットの作り方に関する本を出版してほしいと思っています」と希望するユーザーもおり、片山さんも「あくまでロボット愛好家としてですが、出版は夢の一つですね」とコメントしていた。
記者は、そんなステキなロボット愛好家・片山さんを取材した!
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100均の毛玉取りやおもちゃの電車,ミルク泡だて器などを動力源とし,竹箸やストローを使った胴体に取り付けてロボットを作っているという、片山さん。今回の「テンセグリティ6脚毛玉取りロボット」はどのようなきっかけで思いついたのか?
「とにかくサイズの大きなものを作ろうと思って取り組みました。これまでにもある程度大きなロボットを、竹箸などを使って作っていたのですが、部屋で撮影すると背景と似た色で同化してしまうのが問題でした。そこでコントラストをつけるために黒いビニール袋をかぶせてみたのですが、生き物感も演出できました.」(片山さん)
黒いビニール袋にはそのような効果もあったのか。続いて、今回の作品に込めたこだわりを聞いた。
「基本的に100均素材で作ることにしています。今回のロボットも毛玉取り、竹箸、ストロー、厚紙、タイルマット、輪ゴム、毛糸、ビニール袋、ラッピングタイを使っていますが、全て100均で購入しました。カットした素材をグルーガンで接着して作っていくスタイルです」(片山さん)
このロボットの大きさは全長117cm。毛玉取りという非力な動力源で大きなロボットを動かすためには、軽くて丈夫に作る必要があり、展示する際のことも考えると、小さくまとめて持ち運べるようにしなければいけなかった。そのため胴体には、竹箸で作った3個のパーツを毛糸でつなぎ、輪ゴムを掛けるだけで自然と組みあがる『テンセグリティ構造』を採用したそうだ。
歩く構造はどうなっているのか?
「『持ち上げておろすと進む機構』を使いました。ロボットの6脚のうち毛玉取りの動力で動いているのは中央の2脚のみで、残りの4脚は受動的に前後に動いているのがポイントです。これによって全ての脚に動力を伝える機構を省略できます。『テンセグリティ構造』と『持ち上げておろすと進む機構』を使うことによって軽くて丈夫に仕上がり、大きなロボットを毛玉取り1個で歩行させることができました」(片山さん)
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片山さんがロボット制作を始めたきっかけは何だったのだろうか。
「2019年頃に二人の息子にプログラミングやロボットに関心を持ってもらうため、自分がお手本となるべく電子工作に手を出したのがきっかけです。まずはマイコンボード(電気機器を制御するための電子部品が動作するのに必要な部品を搭載したボード)を使ったロボット作りから始めたのですが、ほぼ知識ゼロの状態であったため,程なくして挫折しました」(片山さん)
そんな時に以前100均で買ってほったらかしにしていた毛玉取りを見つけ、毛玉取りの吹き出し口から輪ゴムを出してプーリーに引っかけ、動力源にすることを思いついた。そして2020年1月に毛玉取りロボット第1号となる8脚歩行ロボットができたそうだ。また、ロボットはこれまで200体程度は作っているという。
そんな片山さんの本業はお医者さん。ロボットの制作はどうやって学んだのか?
「動作を作り出すリンク機構の知識は全てインターネットから得ました。毛玉取りやおもちゃの電車を動力源とすることや素材に竹箸やストローを使うことは自分で考えました」(片山さん)
最後にメッセージを伺った。
「毛玉取りは容易に取り外し可能で使いまわしできますし、他の素材も税込み110円でいくつも入っているので、今回のようなロボットでも大量に作れば、1体あたりにかかる材料費は200~300円ではないでしょうか。安い材料で、素早く作れて、巧い具合に動く、安い、早い、巧い100均ロボットをこれからもお願いいたします」(片山さん)
プチプラへのこだわりや工夫、そして独学で得た知識をフル活用してできた素敵なロボット作品。これからも驚きのアイデアで、私たちを楽しませてくれるはずだ。