交通規制の効力を欠いた交差点で交通取り締まりを行っていたとして、千葉県警は25日、579人を対象に反則金の返還や違反点数の登録抹消などを行うと発表した。交通規制の効力を発生させるためには県警交通部長の決裁が事前に必要だったが、されていなかった。
千葉県警交通規制課によると、原動機付自転車(ミニバイクなど)は、片側3車線の信号機のある交差点で右折する際、「二段階右折」をする必要がある。この取り締まりで、千葉県内の対象1110カ所の交差点のうち、89カ所で根拠となる車両通行帯規制の効力がなかった。
昨年7月、千葉県白井市内の十字路交差点で行った取り締まりに関する手続きの際、千葉県警反則通告センターの職員から指摘があり発覚。記録が残る過去6年間の交通取り締まりを調査した結果、効力を欠いているにもかかわらず、千葉県内各地の51カ所の交差点で、二段階右折をしなかった人に対し、計589件の取り締まりを行っていたことが判明した。
決裁を取っていなかった原因として、交通量が少ないため車線を制限していた3車線道路で、制限をなくした際に、千葉県警側の手続きが漏れた可能性などがあるという。
千葉県警は、対象者に対して個別に、反則金の返還や違反点数の登録抹消、違反抹消を反映した免許証の再作成交付などを行っていく。