名古屋と豊橋を結ぶ「名豊道路」がついに8日、全線開通します。5つのバイパスで構成されていて、唯一開通していなかった蒲郡バイパスがつながることで、全長約73kmの信号なしの無料の高規格道路が完成します。
73キロ信号なし&無料 名古屋~豊橋結ぶ「名豊道路」8日に全…の画像はこちら >>
これによって、以前は下道で2時間近くかかっていた名古屋~豊橋間が50分も短縮、さらにその先の静岡県浜松市までも1時間半近く短縮できるのです。事業開始から約50年、ようやく全線開通となりました。国交省協力の元、開通前の蒲郡バイパスに特別潜入!隅々まで見学しました。
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一緒に見学するのは、道マニア歴29年、未完成の道路・未成道を中心に全国のあらゆる道路を巡ってきた松村真人さん(49)。
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これまで20年にわたって建設中の名豊道路を観察。並々ならの愛情で工事を見届けてきた松村さん。そんな松村さんと名豊道路を見学するのは、榊原悠介アナウンサー。無類の地図オタクで地図地理検定3級を持っています。
そして、今回2人を案内してくれるのが名四国道事務所の馬場一徳さん。
(名四国道事務所 馬場さん)「今、蒲郡バイパスの工事をしていますが、もうすぐ開通となります。約半世紀の夢が叶う」
(松村さん)「しかも蒲郡だけのためじゃない。伊勢から浜松まで全てがつながる。中京圏と富士山の麓くらいまで一気に。どれだけ国の産業に対する貢献度が高いかというにもかかわらず、ここだけができていなくて、蒲郡の駅前の狭い道路にみんなが突っ込んでいた。その全てが解消するんです」
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(名四国道事務所 馬場さん)「すごいですね…言いたいこと全て言っていただいた」
名豊道路の全線開通により、三河港との物流の効率アップも期待されていて、自動車や工業製品の運搬がよりスムーズになると言われています。
今回新たに開通するのは蒲郡IC~豊川為当ICをつなぐ約9kmの区間。蒲郡ICから入って東へ進みながら見学させてもらいます。
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車から降り、本線を歩いていくと…目の前には「国道23号・蒲郡バイパス」という新しい看板が。さらにその奥には「バイパス終点」という看板も。(名四国道事務所 馬場さん)「これは、開通することで見納めになります」
これまでは蒲郡ICで下道に降りざるを得なかったのが、新しい道路がつながったことで直進することが可能になりました。まずは豊橋方面に向かう道中にあるという絶景ポイントを案内してもらいます。
(名四国道事務所 馬場さん)「海の方を見ていただくと、随一バイパスの中で景色が良い所」
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(榊原アナ)「新幹線も通っていますね」(名四国道事務所 馬場さん)「あと目の前の土の部分、これは、二期線の予定地です。土地自体は買っているので、将来的にはここにまたアスファルトが引かれると」
現在この場所は上りと下りが1車線ずつですが、最終的には2車線ずつに拡幅を予定しているんだそう。
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そして先へ進み、蒲郡バイパスで最も標高が高い国坂トンネルへ。
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(名四国道事務所 馬場さん)「ちょうど今、国坂トンネルの中です。蒲郡バイパスの中でも一番長いトンネル(678メートル)。国坂というだけあって、市境にもなる」
トンネル内には、豊川市と蒲郡市の看板が。そして、この最新トンネルには様々な工夫がなされているんです。
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(名四国道事務所 馬場さん)「センターポールも、勝手に風できれいになる仕組み。風が吹くとヒラヒラっと。排ガスとかススをパタパタ落としていく。自浄で」(榊原アナ)「トンネル内は風が抜けて寒いですね」
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(名四国道事務所 馬場さん)「ちょうど蒲郡の海からの風、それが山の奥に抜けていく。常に蒲郡側から豊川側に」(松村さん)「あ~、だから排気ファンないんですね。新規格というか、令和のトンネルって感じ」
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続いて向かうのは蒲郡バイパス最後のトンネル。実はそこには、ある謎が隠されているそうです。
(松村さん)「あぁ、街が見えてきた。これはいい景色ですね。普通に走っていて気持ちがいいですね」
走ること5分、目的地に到着しました。目の前に見えてきたのは、豊沢トンネル。
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(名四国道事務所 馬場さん)「こちらは不思議なところがありまして…銘板と看板に違いがあるのがわかりますか?」(榊原アナ)「あ、わかりました。長さが違います」
そう、看板のトンネルの表示は537メートル、銘板のトンネル表示は336メートルと書いてあるのです。
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(榊原アナ)「200mも違いますよ」看板と銘板で長さの表記が201mも違う謎。これは一体なぜなのか?答えはトンネルを進めばわかるそうで…
(名四国道事務所 馬場さん)「先ほどの質問の答えに近づいてきたのですが…」(榊原アナ)「ちょっと形が変わっていますね」(松村さん)「きれいに真四角ですね」(名四国道事務所 馬場さん)「トンネルの銘板(の長さ)がこちらのアーチ型までになります」
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実は豊沢トンネルは途中で終わっていて、その先はトンネルではなくコンクリートで作られた箱型の建造物。ドライバーにとっては同じトンネルと捉えられるため、看板には長さの合計を印し、関係者が見る銘板には豊沢トンネルの正確な長さを表記していたのです。では、この先には一体何があるのか。
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実はトンネルの先が御津あおば高校のグラウンドの地下にぶつかるルートだったため、その先はトンネルではなく箱型のコンクリートをつなげる形で道を作ったのです。
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(名四国道事務所 馬場さん)「工事が終わったので、グラウンドを戻した」そして、蒲郡バイパスの終点・豊川為当ICへ。(名四国道事務所 馬場さん)「ここのあたりが最後」(榊原アナ)「もう間もなく本線がこちらに変わると」(松村さん)「言葉にならない、感無量というか。久々に未完成であることよりも、完成することの方が感情が上回っています」
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2025年3月4日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より