兵庫県知事選で再選を果たした斎藤元彦知事(47)だが、同選挙での広報・SNS戦略をめぐり公職選挙法に抵触する可能性が指摘されている。
疑いを招いたきっかけは、投開票後の11月20日に兵庫県内のPR会社「merchu(メルチュ)」代表・折田楓氏がブログサイト「note」に投稿したコラム。《今回広報全般を任せていただいていた立場として、まとめを残しておきたいと思います》として、プロフィール写真の撮影・キャッチコピーの一新、SNSアカウントの立ち上げ、自身が監修者としてSNS運用などを手掛けたと明かしたのだ。
コラム内には、《ご本人は私の提案を真剣に聞いてくださり、広報全般を任せていただくことになりました》(現在は削除)と斎藤知事側に主体的に提案をしていたとの記述もあった。しかし、総務省は一般論として「業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行う場合には、当該業者は選挙運動の主体であると解されることから、当該業者への報酬支払いは買収となるおそれが高いと考えられます」としているため、公職選挙法に抵触するのではないかとの指摘が寄せられている。
斎藤知事は25日、囲み取材に応じ、PR会社には「ポスター制作しか頼んでいない」とし、「制作費として70万円ほど支払った」と説明。折田氏が選挙カーの上に乗るなどしてSNS用の動画を撮影していたのではないかとの記者からの指摘には、「SNSの運用については、あくまで斎藤事務所が主体となりということですね。折田さんについてはボランティアとして個人で参加されたと認識しております」と説明し、「私としては公職選挙法に反するような事実はないと認識しております」と疑惑を否定した。
PR会社側は同日も“だんまり”を続けている。実はその間、折田氏の周囲ではある“異変”が起こっていた。
これまで今回問題になったnote以外にも様々なSNSで選挙戦の奮闘ぶりを明かしてきた折田氏。例えば、YouTube『かえで社長 ズバッといってこチャンネル -』では、すでに削除された動画で「10月の1日から今日まで、多分人生過去一忙しい」と述べ兵庫県知事選に関わり広報全般を任されていると告白。InstagramやFacebookでも斎藤知事との出会いや自分が仕事での関わっていることを詳細に綴っていた。
「騒動が大きくなったためか、22日時点では解放していたInstagramのコメント投稿を24日までに制限、同様にYouTubeについてはコメント機能を無効に、Facebookは過去の投稿を全て削除しました。会社として取材には応じていませんが、これまでもnoteの内容の修正やWEBサイトのページを削除するなど“騒動への対応”は行っているようです」(WEBメディア記者)
“沈黙”により、この騒動は鎮火するだろうかーー。