千葉県市原市のホテルで、従業員の女性が殺害され、手首を縛られた状態で見つかった事件で、千葉県警市原署捜査本部は2日、司法解剖の結果、殺害された従業員の佐伯仁美さん(56)=同市=の死因は、首を絞められたことによる窒息や、首と腹を切られたり刺されたりしたことによる出血性ショックの可能性が高いと明らかにした。ホテル内から、血液のようなものが付いた刃物が見つかったことも分かった。凶器とみられる。
捜査本部によると、首の切り傷の他、腹に複数の刺し傷や刺し切られた傷があった。首はひも状のもので絞められたということも分かり、絞めるのに使った凶器の特定も進めている。死因は窒息や出血性ショック、もしくはその両方の結果による可能性が高いという。
首を絞められたり、複数箇所を刺されたりしていることから犯人に強い殺意があったとみられる。ホテル内からは佐伯さんのものとみられるスマートフォンも見つかり、捜査本部は解析を進めている。
佐伯さんはホテルの事務所で、手首を縛られ、首を切られた状態で死亡しているのが1日朝、見つかった。顔も腫れていた。客室の自動精算機が破損していることから、県警は、何者かが金品を奪う目的で、激しい暴行を加え、逃走したとみて、強盗殺人事件として捜査している。
事件発覚から一晩が明けた2日、現場のホテルに面した道路は規制線が外され、車の通行が可能になった。捜査本部は現場検証を実施。3日も引き続き行う予定。
近くに住む80代の男性は「家の周りには身を隠そうと思えば、隠れられる場所がある。怖くて夜、寝られなかった」と不安を口にした。
現場は小湊鉄道の馬立駅から約2キロのところにある同市中高根のホテル。佐伯さんは10月31日夜から1人で夜勤に入っていて、1日朝、出勤した店長がホテルの事務所で倒れている佐伯さんを見つけた。