瞬間接着剤は、プラスチックや金属、ゴムなどを短い時間でしっかり接着させられる便利で身近なアイテムです。
付け爪用もあるため、普段からよく使っている人もいるでしょう。
しかし、使い方によっては一瞬で大きなケガにつながることもあります。注意点をよく確認しておきましょう。
瞬間接着剤について注意を呼び掛けているのは、『独立行政法人・国民生活センター』の公式サイトです。
瞬間接着剤の危険性について、以下のように解説しています。
つけ爪やモノを短時間で接着させるために用いられる瞬間接着剤の主成分には、一般的にシアノアクリレート系の物質が使用されています。シアノアクリレート系の物質は、空気中や接着面の水分と反応して重合し硬化する際に反応熱が発生します。特に、ティッシュペーパーや布などに染みこんで表面積が拡大すると、化学反応が急激に進み大きな反応熱が発生することがあり、その部分に触れるとやけどをするおそれがあります。
くらしの危険381 瞬間接着剤の使用によるやけどに注意しましょう ーより引用
『瞬間接着剤で指がくっ付いてしまった』といったトラブルはイメージできても、火傷の危険性に関しては意識したことがない人も多いでしょう。実際に起きた事故を紹介します。
ある10代の女性は、付け爪用瞬間接着剤を親指の爪に付けた時に手のひらに垂れたため、ティッシュペーパーで拭き取ったらやけどをしてしまいました。
皮膚科を受診すると、真皮までダメージを受ける『II度』の熱傷で、1か月以上通院する必要があるという診断を受けたといいます。
別の60代の女性は、瞬間接着剤を使っている時に少しこぼれたため、ティッシュペーパーで拭いたところ、火が付いたように熱くなったため、手からはがそうとしたら指がえぐれてしまいました。
※写真はイメージ
瞬間接着剤が付着した場合は、慌てずに次の対処法を行ってください。
衣類に付着した場合は、急激に発熱する恐れがあるため、慌てて脱ごうとせずに大量の水をかけてください。
手や指など皮膚に付着した場合は、発汗作用により必ずはがれてくるため、慌ててティッシュなどで拭き取らないようにしましょう。40℃程度のお湯の中でゆっくりともむようにするとはがれてきます。
家具に付着した場合は、ポリエチレン手袋を着用して布などで手早く拭き取ってください。拭き取った布を放置すると急激に発熱して危険なため、人のいない場所に持って行って、固まるまでそのままにしておきましょう。
瞬間接着剤の危険性を紹介しました。くっ付けたいものを一瞬で接着できて大変便利なアイテムですが、やけどやケガをしてしまう危険性もあります。紹介した注意点を十分に確認して、正しい方法で安全に使いましょう。
[文・構成/grape編集部]