【桜坂劇場・下地久美子の映画コレ見た?】至福のレストラン 三つ星トロワグロ 料理愛する人々の物語

映画は「味覚」を表現できない。でも、この映画は言葉を紡ぐことと、料理に関わる人々の態度を映し続けることで、そのレストランと、そこで提供される料理の素晴らしさを表現してみせた。
レストランの全権を委ねられた息子は、試作を重ねて作り上げたレシピの最終確認で元料理長の父の元を訪れる。試食はなく、紙とペンと言葉だけのレシピ会議。簡単に首を縦に振らない父。2人のアイデアが行き交い、言葉のみを介してレシピが洗練されていくのが分かる。
天窓から柔らかな光が差し込む広々としたキッチンでは、料理人たちが丁寧な仕事を重ね、日々アイデアが生まれ、若いスタッフが成長していく。ホールスタッフからお客さまへ注がれる配慮や言葉の数々は完璧で、映し出される全ての人々が料理を愛し、人を愛し、仕事を楽しんでいる。(桜坂劇場・下地久美子)
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