新潟県内 下越中心に“記録的大雨” 村上市では川氾濫・稲刈り前の田んぼにも被害… 土砂災害や河川の増水などに注意・警戒を

前線や湿った空気の影響を受け、9月20日の新潟県内は村上市や新発田市など下越を中心に記録的な大雨となり、土砂災害警戒情報が発表されたほか、一部地域には避難指示も出されました。21日以降も警報級となる大雨のおそれがあるとして、新潟地方気象台は引き続き警戒を呼びかけています。
前線の通過に伴い、大気の状態が非常に不安定となり、下越を中心に視界が悪くなるほどの大雨となった20日朝の県内。【記者リポート】「午前9時半すぎの新発田市。高速道路を走っていますが、雨が勢いよく降ってきていて、フロントガラスを覆っています。ワイパーもせわしなく動いていますが、前が見えにくい状態です。いま、雷も鳴りました」【齋藤正昂アナウンサー】「午前11時前の新潟市中央区。ときおり、その激しさを増しながら断続的に雨が降り続いています」午前7時からの雨雲レーダーを見てみると、山形県境から活発な雨雲が南下しながら県内にかかり続けているのがわかります。
おととしも記録的な大雨で多くの住宅が浸水するなどの被害があった村上市では…【記者リポート】「午前10時半すぎの村上市内雨の勢いは弱まってきた一方で橋の下を流れる三面川では茶色く濁った水が流れときおり流木も見られる」村上市三面では午前8時半すぎまでの1時間に9月の観測史上最大となる70.5ミリの非常に激しい雨を観測。下越を中心に大雨警報が出され、村上市・関川村など5つの市と村に一時、土砂災害警戒情報が発表されました。【三面川の近くに住む人】「(Q.水位は高い?)高い、高い。そこにブロックがあるが、普段は今より50~60cmは下がっている」午前7時ごろから雨が降り始め、川幅の広い三面川でも普段より50cmほど水位が上昇。一方、川幅の狭い川では…【記者リポート】「村上市神林地区を流れる川は、上流から押し寄せてきた水で今にも氾濫しそうになっています。数十分前まではこちらの川が氾濫していたそうで、道路上には木の木片などが散らばっています」川が氾濫し、周辺の住宅では敷地前に土嚢を積むなど対策を講じていました。【近くに住む人】「もう、ここもみんな(水が)流れた。こんなにはならないと思っていたんだけど」
しかし、中には対策ができないものも。【記者リポート】「村上市内には、まだ稲刈り前の田んぼが多く広がっていますが、今回の大雨で河川が氾濫したためか、田んぼの中には茶色く濁った水が入り、稲が浸かってしまっています」一部の河川が氾濫したことで、収穫の時期を迎えていたコシヒカリなどの田んぼの多くには被害が出ていました。水が引いて土が固まれば稲刈りは可能だと言いますが…【コメ農家】「今年は品質もいいということで喜んでいたが、今回こういう状態になって。大丈夫だとは思うが、また品質が低下したりすると心配。ここまで苦労したのに…」
関川村では災害の危険性が高まっているとして一時339世帯1216人を対象に避難指示が発令されました。【関川村役場の職員】「川の近くだったりとか、山の近くだったりして、不安に感じていらっしゃった」こうした中、午後には県が大雨に関する情報連絡室会議を開催。19日からの雨で長岡市と糸魚川市の住宅で床下浸水の被害が14件あったことなどが報告されたほか、今後の見通しについても共有しました。【新潟地方気象台 塩野勉 主任予報官】「新潟県では21日から22日にかけても土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒するとともに、22日は強風にも注意・警戒をお願いします」

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