「ひと夏でこんなに成長する」ハラミちゃんが胸打たれた子どもたちの姿、「こどもスマイルムーブメント」イベントが開催

ポップスピアニストのハラミちゃんと宇宙飛行士の野口聡一さんが、9月16日(月・祝)に池袋・サンシャインシティ噴水広場で開催された「こどもスマイルムーブメント スペシャルトークセッション」に登壇した。

東京都が推進する「こどもスマイルムーブメント」アンバサダーに就任している2人。本イベントでは、この7月に2人を講師に実施されたワークショップについて、参加者の子どもらとトークした。

○■ハラミちゃんと「ミッキーマウス・マーチ」を合奏

「こどもスマイルムーブメント」は、社会全体で子どもを大切にする機運の広がりを目指す東京都の取り組み。企業・NPO・学校・区市町村など官民が連携し、子どもの笑顔を育むさまざまな取り組みやアクションを展開している。
今年で立ち上げ3年目を迎え、現在は1,800以上の企業・団体が参画。この夏には特設サイト「こどもスマイル大冒険」で600件を超えるイベント情報をホームページで案内してきた。

その取り組みの一環として、本年7月27日・28日にはポップスピアニストのハラミちゃん、宇宙飛行士の野口聡一さんを特別講師に迎えた「こどもスマイルムーブメント体験型ワークショップ」を実施。
今回の「こどもスマイルムーブメント スペシャルトークセッション」には、このワークショップに参加した子どもたちも登壇し、それぞれのワークショップで得た学びや気づきなどが語られた。

7月27日、ハラミちゃんが講師を務めたワークショップ「みんなで音を楽しもう♪スマイル演奏会」には、小学1年生から中学3年生まで23人の子どもたちが参加。楽器グループに分かれて「ミッキーマウス・マーチ」を練習し、本イベントでワークショップの参加者11人とハラミちゃんによる合奏が披露された。

ハラミちゃんは演奏前に、「今日は大勢の皆さんに見ていただいているので、そわそわしちゃうかもしれないけど、できるだけ周りのお友達の音も聴きながら、みんなで一体感が生まれるような音楽を演奏しましょう。笑顔も忘れずに!」とアドバイス。演奏後には会場から大きな拍手が起こった。

○■「子どもたちはひと夏でこんなに成長する」

合奏を終えて「シチュエーション的に緊張するはずなんですけれども、皆さん目をキラキラさせながら、リラックスして落ち着いている様子がすごく印象的でした。むしろハラミが頼りにしたいくらい頼もしくて素晴らしかったです」と、感想を述べたハラミちゃん。

2カ月前のワークショップではこの日の演奏のためにグループごとに話し合う時間などもあり、子どもたちは夏休みの間も練習を重ねてきたとのことで、ハラミちゃんは子どもたちの大きな成長を感じたという。

「子どもたちはひと夏でこんなに成長するんだなって、目の当たりにした気がしました。この夏、私は同じぐらい成長できただろうかと思うと、そうでもない気がするので(笑)。新しいことにたくさん取り組んでみることって、本当に重要なんだなと教えていただきました」

その後、ステージには7月28日に開かれたワークショップ「ペーパークラフトで学ぶ! 宇宙へのはじめの一歩」に参加した子どもたちと、そこで講師を務めた宇宙飛行士の野口聡一さんが登壇した。

野口さんのワークショップはH3ロケットのペーパークラフトづくりを通じて、宇宙やロケットの仕組みを学ぶことができるというもの。野口さん自らペーパークラフトを使い、ロケットの役割や構造について解説したという。

「JAXAの最新型ロケットのペーパークラフトなんですが、これが細かいパーツもけっこうあって大変なんです。全体像がわかっていないと作れないので、とてもいい勉強になったと思います」

ワークショップではグループごとに「理想の宇宙の暮らし」をテーマに出し合ったアイデアを発表。野口さんへの質問コーナーではほとんどの参加者から手が上がったそうで、参加者の子どもたちは積極的にワークショップに取り組んだようだ。

この日も登壇者の子どもからは「宇宙から帰ってきたときに地球に体が慣れるまでどのくらい時間がかかりますか?」という追加の質問が。

野口さんは「最初はまっすぐ歩くのも大変ですが、バランス感覚は地球に戻って3日ぐらいで治ってきます。だいたい筋肉は1カ月ぐらい。骨に関しては、もしリハビリとか何もしないと1年くらいかかります。最近は宇宙でもしっかり運動したり、栄養があるものを食べたりして、あまり筋肉や骨が弱くならないように工夫しています」と回答していた。
○■一番大事なのは“安心感”のある社会づくり

本イベントでは第2部としてハラミちゃん、野口さん、こどもアンバサダーに就任している俳優の村山輝星さんによるトークセッションも実施された。

今回のワークショップで特に印象に残った出来事について、ハラミちゃんは「楽器がそもそも初めてのお子様とかもたくさんいらっしゃったんですけど、言い訳や弱音を全く吐かず真摯に楽譜と向き合って、自分のパートをひたすら練習している姿に強く胸を打たれて。この姿勢は見習わなきゃいけないなと思いました」とトーク。

「こどもスマイルムーブメント」アンバサダーに就任して2年目という野口さんは、「子ども時代は、自分がやってみたいことに躊躇なく挑戦できるとても幸せな時期。大人になると自然にいろんなことを考えてしまって動きにくくなっちゃうんですが、子どものうちは興味があることに突進していける。それは子どもの特権だと思います」と語っていた。

また、現在中学2年生の村山さんは「最近はこども食堂や経験の格差のような子どもの貧困に関するニュースもよく目にします。まずは子どもが安心して暮らせる社会の上にスマイルが生まれると思います」とコメント。

こうした話を受けて、ハラミちゃんは会場の人たちに向けて次のようにメッセージを送った。

「自分の子どもの頃を思い出して、『あんなに一生懸命ピアノに取り組めたのはどうしてかな?』と考えたときに、一番大事なのは安心感だったと思うんです。やっぱり周りの人たちが笑顔でいると、お子様たちも安心していろんなチャレンジができる。私も含めて大人こそ笑顔を忘れてはいけないのかなって。笑顔が連鎖するような社会になれたらいいなと思います」

イベントの前後には、参加費無料の体験ブース「身近なものを使って楽器を作ろう! 」「ペーパークラフトを使ってロケットを作ろう! 」を会場に設置。こちらも訪れた子どもたちが楽しく参加して学べる機会となったようだ。

伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら

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