【実際の音声とやりとり】2週間にわたった70代女性への“詐欺電話”…不安煽る手口とは?被害者の約6割は高齢者

新潟県内で被害額が増加している特殊詐欺。今年は7月末までに96件、3億3511万円の被害が確認されています。相手を操る卑劣な手口とは…県内に住む女性にかかってきた詐欺電話の実際の音声です。
「おはようございます。東京地方検察庁の××です」9月、県内に住む70代の女性のもとにかかってきた東京地方検察庁の検察官を名乗る男からの電話。通常、新潟に住む人に県外の検察庁から電話が来ることはありませんが…【検察官を名乗る男】「すみません、きのうキャッシュカードの撮影をお願いしたんですけれども」始まりは約2週間前、女性のもとにかかってきた携帯電話会社の社員を名乗る女からの電話でした。【携帯電話会社の社員を名乗る女】「あなたの電話番号が不正に登録されている」その後、携帯電話会社を名乗る女から電話口で代わったのが東京地検の検察官を名乗る男。捜査名目で銀行口座などの個人情報を聞き出されたと言います。2週間にわたり、やりとりを続け、女性に東京地検の検察官であると信じ込ませた男。【検察官を名乗る男】「一度ですね、このカードが使えるか〇〇さん、確かめてほしいです」【女性】「分かりました」【検察官を名乗る男】「番号覚えていますよね。暗証番号」【女性】「覚えています」【検察官を名乗る男】「分かりました。では、本日〇〇さん名義の北越銀行から現金の引き出しを行ってください」【女性】「分かりました」
そして、この日…ついに現金の引き出しを要求する電話がかかってきたのです。【検察官を名乗る男】「北越銀行の限度額いっぱい引き出してもらってもいいですか」【女性】「いっぱいって、いくらまで?」【検察官を名乗る男】「50万円です」男から一方的に続けられる不審な指示。ここから女性の不安をさらに煽ってきます。【検察官を名乗る男】「いま、〇〇さん名義の△△銀行の口座は警察の監視下にあります」警察が実際に個人の銀行口座を監視することはなく、警察や行政の名前を出して信用させようとするのは、特殊詐欺の典型的な手口の一つです。さらに…【検察官を名乗る男】「で、旦那様に高額なお金を出したということがばれると、何か言われてしまうと思うんですね」【女性】「そうそう、はいはい」詐欺であることがばれないよう、家族も含め、誰にも言わないよう口止めをしてくるのも特殊詐欺の常套手段です。【検察官を名乗る男】「なので申し訳ありませんが、ほかの方には内密にして(現金を)近くに保管してください」【女性】「分かりました」
女性がこの後、銀行へ現金の引き出しに行くため、家族に運転を頼んだことで家族が詐欺だと気づき、なんとか被害は免れました。ただ、こうした特殊詐欺が県内では今年7月末時点で96件発生。被害額は3億3500万円あまりに上っています。その被害者の約6割が65歳以上の高齢者です。【県警本部生活安全部 齋藤浩志 安全安心推進室長】「お金に関する電話、警察官・市役所かたりなど色々あるが、すぐに払わず、まずは家族や警察に相談してほしい」警察は相手との通話が自動的に録音される防犯機能付き電話機の利用なども呼びかけています。

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