台風10号から離れた住宅でなぜ土砂崩れが?家族5人が巻き込まれる「1か月分を上回る大雨が降っていた」愛知・蒲郡市

27日夜に愛知県蒲郡市で発生した土砂崩れ。2階建ての木造住宅が巻き込まれました。(報告:森本琴衣記者)「愛知県蒲郡市です。こちらの奥で土砂崩れが発生し、現在重機などを使って懸命の捜索活動が行われているとみられます」
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現場で救助活動にあたる消防隊員たち。住宅の上を覆う大木などが行く手を阻みます。発生当時、この住宅にいたのは70代の夫婦と40代の2人の娘、それに30代の息子の合わせて5人。消防隊員らが懸命に呼びかけ続けます、そして…。
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28日の午前中には40代の娘2人が救助され意識があるということです。(消防の会見)「一度全てのエンジンなどを停止し、『サイレントタイム』というが、全ての音を消して呼びかけをしたら反応があり声が聞こえた」
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そして28日午後、70代の女性も見つかりましたが、意識がないということです。突如発生した土砂崩れに、この家族の知人らは。(知人)「何とも言えない気持ち。安否が心配」「今まであった建物が全部なくなっていた。ひどい。まさかここが崩れるなんて思ってもいなかった」
台風10号周辺の湿った空気の影響で、東海地方でも大雨が…。蒲郡市では降り始めから27日午後10時までの雨の量が138.5ミリで、平年の8月・1か月分を上回っていました。
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(報告:小池尚弘カメラマン)「土砂崩れにより住宅が完全に押しつぶされています」今回、土砂崩れがあった現場はミカン農園が広がる蒲郡市西部の山あい。専門家に映像を見てもらうと…。
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(名古屋大学 砂防学 五味高志 教授)「斜面の比較的浅い所から崩壊が起こっているのが見えますので、全体的に表層崩壊といわれるものが起こったのではないか」名古屋大学の五味教授は詳細の調査が必要としながら、降り続いた大量の雨が土の中に蓄えられていたことが原因とみています。
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(名古屋大学 砂防学 五味高志 教授)「急傾斜というような場所ではあるので、やはり崩壊のリスクというのは、ある程度あるのではないか」
しかし、ハザードマップを見ると、現場は土砂災害警戒区域には指定されていませんでした。
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(蒲郡市 危機管理監 星野浩幸さん)「(Q:特別警戒区域から外れているのはなぜ?)計算式に基づいて現地で調査をして指定されるが、この地域については斜度がなく指定されていなかった。区域に家が一軒しかないとき、現地を調査して指定されないことも」市はハザードマップで警戒区域に指定されていなくても「安全だとは思わないで欲しい」と話します。
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蒲郡市では去年6月にも、豪雨で土砂崩れがあちこちで起きました。(報告:大石邦彦アンカーマン)「ここは去年に取材した土砂崩れ現場付近です。現在も山から道路に水がしみ出して小川のようになっています。土砂が崩れた所は(斜面の)地肌がむき出しになっています」去年6月に取材した、この土砂崩れ現場も土砂災害警戒区域には指定されていませんでした。
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家族5人を巻き込んだ今回の土砂崩れ。発生から18時間以上が経過した現場では、断続的に雨が降る中、残る2人の懸命な捜索が続いています。

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