身近に潜むSNS詐欺やストーカーなどの防犯意識を高めてもらおうと、沖縄県警は6月14日、与那原町の沖縄女子短期大学で防犯講話を開いた。県警本部や与那原署の警察官4人が講師として登壇。同大児童教育学科の1年生約150人がサイバー犯罪などの危険性を学んだ。
(社会部・玉那覇長輝)
県警人身安全対策課の玉城康成警部は、2018年に県内で発生した、男が飲食店で知り合った女性を自宅に監禁してけがをさせた事件を取り上げ、ストーカー事案などを解説した。
女性は自力で脱出し保護されたが男は逃亡。数日後、捜査員がバスに乗り込もうとしたところを発見し、逮捕監禁致傷などの容疑で逮捕した。
その後の調べで、発生4カ月前からストーカー行為を繰り返していたことや携帯のパスワードに被害者の名前を使うなど男の執拗(しつよう)性が明らかになった。玉城さんは「いつ皆さんにも降りかかるか分からない。日頃から防犯意識を高めてほしい」と呼びかけた。
同課の與那嶺誠警部は県内の犯罪情勢を説明。子どもや女性を対象とした声かけ、盗撮などの脅威事案が4年連続400件を超えているとし「沖縄にも悪い人はいる。日頃から防犯意識を持つことが大事」と警鐘を鳴らした。
県警サイバー犯罪対策課の石川翔太巡査部長は、LINE乗っ取りや修理名目で架空の料金を請求する「サポート詐欺」などのサイバー犯罪ついて講話し「匿名の相手を信じ込まないで」と呼びかけた。
与那原署の石川秀樹生活安全課長は、他人の誹謗(ひぼう)中傷や性的な画像は「デジタルタトゥー」としてネット上に残ると説明。「一度上がると消すことができない。これまでたくさんの被害者を見てきた。SNSの使い方には十分に気を付けてほしい」と訴えた。
講話を聞いた仲宗根梨華さん(18)は「身近に危険が潜んでいると改めて感じた。日頃の危機管理が大切。注意していきたい」と感想を話した。