「『そこにある感』が増しました」
そういって2枚の写真をXに投稿したのは、まくゃん(@sugersweetowo)さんです。
2024年7月現在、投稿者さんは、東京藝術大学のデザイン科の合格を目指すべく美術予備校に通い、浪人生活の2年目を過ごしています。
投稿者さんが公開した2枚は、浪人1年目に描いたアジの絵と、そこから約1年が経った浪人2年目の現在に描いたもの。
4万件を超える『いいね』に加えて、「これは努力の賜物」といった声が上がったのもうなずける、アジの絵の変化をご覧ください。
まずは、浪人1年目に描いたアジの絵がこちら。
一見すると本物と間違えそうな、生き生きとしたアジが描かれています。しかし、投稿者さんは当時の絵に納得していない様子。
そこから約1年が経過し、より『そこにある感』が増したという、アジの絵をご覧ください!
巧みに表現されたツヤ感から、生命が宿っている感じがひしひしと伝わってくるではありませんか…!
投稿者さんによると、実際にアジを手に持ってよく観察しながら描写し、2時間ほどで描き上げたといいます。
アジの絵の劇的な変化に、称賛の声が相次ぎました!
・これは努力の賜物ですね。感動しました。
・浪人2年目の時の絵を見て、「調理方法どうしようかな」と考えてしまった。すごく新鮮そう!
・瞳のうるみ具合が本物のようですね!素晴らしい。
grapeでは、投稿者さんに、アジの絵について話をうかがいました。
――なぜ、アジをモチーフに選んだ?
自ら選んだわけではなく、美術予備校の課題で渡されたモチーフです。偶然、昨年と同じモチーフでした。
アジは、予備校の課題として提示されたのですね。
それでは、最も力を入れたポイントはどこなのでしょうか。
立体感と、魚ならではの新鮮さを出すために、ハイライトにとてもこだわりました。
浪人1年目の絵と現在の絵を比べると、ハイライトが全然違うことに気付いて、自分でも驚いています。
浪人1年目もハイライトにこだわって描いていて、当時は完璧なつもりでした。しかし、描き方が形に沿っていなかったり、色がすべて一緒になっていたり、線の太さが一定になっていたりしたんです。改めて見ると「不完全だな」と思います。
どうしても『実在感』を表現することは難しいのですが、浪人1年目の時よりは、現在の絵のほうが表現したいものに近付けている気がします。
浪人1年目の絵と比較した際、ハイライトの違いに自身でも驚きを隠せない様子の、投稿者さん。筆の種類にも、譲れないこだわりがあるようです。
ハイライトを描く時には、必ず老舗筆メーカー『名村大成堂』の面相筆『康尖(こうせん)』と、毛がき筆を使っています。
ハイライトの描き方を研究し、アジの絵のリアルさを高めることに成功した、投稿者さん。
「東京藝術大学に合格する」という強い意志が、自身の絵の才能を伸ばす結果となったのでしょう。
Xでの発信を通じて、投稿者さんの素晴らしい絵は多くの人の目に留まりました。今後の活動からも、目が離せないですね。
[文・構成/grape編集部]