JR東海が保全作業の省力化に向け、鉄道での導入が国内で初めてとなる新しい「がいし」を東海道新幹線に導入すると発表しました。
東海道新幹線に“国内初”のガイシ導入 1~2年ごとの塗り直し…の画像はこちら >>
JR東海が新たに導入すると発表したのは、鉄道での導入が国内で初めてとなる「コーティングがいし」です。「がいし」は電線から電気が流れ出ないように電線と電柱などの間に使用されていますが、沿岸部などでは海水に含まれる塩などががいしに付着することで、絶縁性能が低下します。JR東海は絶縁性能の低下を防ぐために、東海道新幹線の沿線の2割程度にあたる5万個以上の「がいし」にひとつひとつ手作業で専用の塗料を塗っています。
懸垂がいし(コーティング後)【提供:JR東海】
懸垂がいし(コーティング前)【提供:JR東海】
1年から2年ごとに塗り直す必要があるため、年間でおよそ200回塗り替え作業が行われ、1億円程度のコストがかかっているということです。JR東海は身体的負担も大きい作業の省力化を目指し、絶縁性能を維持する効果に優れたシリコーンゴムでコーティングした塗り替え作業が不要の「コーティングがいし」の導入を目指して2017年から日本ガイシと実証実験を重ねてきました。実証実験で十分な性能が確認できたことから「コーティングがいし」を東海道新幹線に2025年度から順次導入する予定だということです。導入されれば「コーティングがいし」の鉄道への導入は国内で初めてとなります。
塗替え作業の様子【提供:JR東海】