藤井聡太七冠(21)同学年対決で敗れる 師匠の杉本昌隆八段「私にも2つ下に羽生さん 1つ下に村山聖九段が…」としみじみ

6月20日、将棋の八大タイトルの一つ「叡王」を失った藤井聡太七冠(21)。対局後に行われた伊藤匠七段(21)との感想戦はいつもと違う様子でした。熱戦の興奮冷めやらぬ中、CBCテレビ「チャント!」に師匠の杉本昌隆八段が生出演です。
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(若狭敬一キャスター)杉本さん、改めて藤井七冠の敗因というと、ズバリどんなところなんでしょうか?(藤井七冠の師匠 杉本昌隆八段)「藤井叡王に終盤でミスが何回か出てしまった気がしますよね。ただそれを的確に止めた伊藤七段の指しまわしも素晴らしかったです」
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(大石邦彦アンカーマン)伊藤七段がなぜ勝てたのか、伊藤さんの師匠、宮田利男八段にうかがったんですが、序盤から中盤もかなり苦しい展開だったんだけれども、伊藤七段は辛抱強い将棋を指して耐えたことが大きいと分析していました。通常中盤ぐらいに、もう一か八かという手を差してしまいがちなんですけれども、そうしなかったことが大きいと言ってました。(師匠の杉本八段)そうなんです。途中で、もう本当に大技が伊藤さんにかかってしまったんですよ。もう諦めてしまってもおかしくないぐらいの技でした。でもそこから粘るんですよね。それが逆転に繋がったということです。
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(若狭キャスター)そして、きのう(20日)の感想戦の様子なんですが、藤井さんのいつもの感想戦は、ちょっと笑みを浮かべながら、にこやかにということなんですが、きのうに関しては結構シビアな表情で臨んでいたと。
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(師匠の杉本八段)本当に悔しかったというかね。失敗してしまった、ミスが出てしまったなという思いがあったんだと思います。感想戦自体は好きなタイプなんですよね。何時間でもやるタイプで、伊藤さんとの過去の感想戦もすごく楽しげにやっている。「あの2人の感想戦はちょっとほかの棋士同士とは違うね」ってよく我々も言われているぐらい。同世代ならではの空気感があるというふうにもよく言われています。
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(大石アンカーマン)ただきのうは、ちょっと感想戦があっさりしていたなというところもありましたね。(師匠の杉本八段)そうですね。1局の流れを見ると、あれだけうまくいっていながら落としてしまったという思いはあるでしょうね。そして初めてタイトルを失ったということで、これはもう当事者にしかわからない感情があると思います。
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(若狭キャスター)対局を終えた後の両者のコメントなんですが、まずは藤井七冠です。タイトル戦初の敗退について記者から質問を受けると…(藤井聡太七冠)「それは時間の問題だと思っていたので、あまり気にせずにこれからまた頑張っていきたい。終盤でミスが出てしまう将棋が多かったので、結果もやむを得ないかなと思っています。それと同時に伊藤さんの力を感ずるところも多くあったかなと思っています」
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(若狭キャスター)この「時間の問題だった」というこの表現をどう受けとめますか?(師匠の杉本八段)ネガティブな意味ではなくて、やはりタイトルをずっと持ち続けるというのは、これは不可能なことなので、必ずいつか誰かに取られるのも、これはもう絶対間違いないことなので、そういう意味でああいう発言になったんだと思います」
(若狭キャスター)そして一方の伊藤新叡王のコメントにも注目です。(伊藤匠叡王)「藤井さんは中学生でプロになって、そこからは本当に自分はずっと藤井さんを目標にやっていた。本当にそうですね、藤井さんには自分をここまで引き上げていただいたのかなというふうに思っています。藤井さんがいなかったらタイトルも取れなかった。藤井さんのおかげで、こういう舞台にも上がることができているのかなと思っています」
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(若狭キャスター)杉本さんこのコメントはどう見ましたか?(師匠の杉本八段)そうですね。同じ21歳ですけども、やはりね、棋士になるのも藤井七冠の方が早かったし、その後の昇段ペースもずっと藤井七冠が早かったので、ずっと追いかける立場だったということですよね。でもやっとこれで一つ借りを返せたというか、タイトルを獲得できたということで、本当にこの喜びは、また後から湧いてくるんだと思います。
(大石キャスター)これね、14歳で藤井さんはプロになりました。一方で伊藤さんは17歳だった。伊藤叡王の師匠の宮田さんは「遅かったな」と言っていました。もっと早くプロになれたはずだろうに藤井さんに3年遅れたと。だからそういう意味では藤井さんに対しては「何とか…」という思いが強かったんじゃないか、という話もしていました。
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(師匠の杉本八段)そうですね。17歳で四段とは、むしろ早い方なんですが、14歳という人がいると、そうに思えてしまいますけれどもね。でも棋士になってからの戦いというのは長いですよ。
(若狭キャスター)杉本さんも同学年、同世代の棋士は意識したものですか?(師匠の杉本八段)意識しましたね。私の2つ下の年齢が羽生善治さんなんですね。1つ下が亡くなられた村山聖九段でして、村山さんとは同じ関西でしたから、奨励会時代はライバル関係でよく将棋を指して、やっぱり負けるとめちゃくちゃ悔しかった覚えがあります。やっぱり20代前半とかすごく意識してました。
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(若狭キャスター)そうかこの年齢だからこそ、より同世代を意識する…(師匠の杉本八段)10代、20代の頃というのはかなり意識するものだと思いますよ。(大石アンカーマン)同い年っていうことで言えば、羽生さんね、7つのタイトル時代に全冠制覇しましたが、その羽生さんの同い年のライバルって、森内俊之九段という方がいらして、竜王、名人も取った本当強い方ですけれど、やっぱり同い年にいるっていうのも違うんですかね?(師匠の杉本八段)そう、やっぱり年齢が一緒ということで、かなりやっぱりお互い意識することが多かった。とくに追いかける伊藤さんの方が意識は強かったと思います。
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