市原市姉崎で２００８年１月、会社経営の永野武さん＝当時（７８）＝が殺害された事件が、昨年に続き警察庁の「捜査特別報奨金制度」に指定された。指定は３回目。期間は５日から１年間で、犯人逮捕につながる情報提供者には事件解決の貢献度に応じて最大３００万円の報奨金が支払われる。千葉県警は広く情報提供を呼びかけるため、新たに捜査情報を公開した。
事件は０８年１月１７日午後４～６時ごろに発生。同市姉崎の自宅に隣接する不動産会社の事務所内で、永野さんが頭や胸を刃物で十数カ所刺され、倒れているのが見つかった。同日夕方ごろには事務所敷地内に入る不審な男が目撃されている。男は当時３０歳前後とみられ、身長推定約１・６メートル、細身で上下黒色の服を着ていた。
県警は新たに、現場から永野さんの鍵束と金庫がなくなっていることを明らかにした。新たに作成したポスターにも盛り込み、全国の駅や商業施設などに掲示し、情報提供を求める。固定観念を植え付けないよう、具体的な特徴は記載していない。県警の担当者は「これまであらゆることを想定して捜査していたが、広く情報を得るため公開した」と説明する。
昨年２月から新たな情報が約１５件寄せられたものの、逮捕につながる有力な手掛かりは得られていない。県警は「遺族の無念を晴らすことは警察の責務。ささいな情報でも構わないので連絡してほしい」と呼びかけた。
事件の情報提供は市原署捜査本部（電話）０４３６（４１）０１１０。