大量発生のカメムシ、和歌山の梅に与える被害にショック 商品価値が下がる恐れも…

どこからともなく飛来し、うっかり触ってしまうと強烈な臭いを撒き散らすカメムシ。今年は各地でカメムシが大量発生し、注意報を出す県も多い。
カメムシは和歌山県の名産・梅に大打撃を与える恐れがあって…。
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5月下旬にXで、今年は和歌山県で梅の収穫量が大幅に減る恐れがあるというポストが注目を集めた。暖冬の影響で、梅の収穫量が減り、取引価格の上昇が見込まれている。
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さらに、大量発生したカメムシが梅の実を吸って変色したり、落果するなどの被害も出ているという。カメムシは4月下旬から各地で大量発生しており、テレビのニュースでもたびたび取り上げられている。

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梅の不作はネット上でも話題に。「うちも全然ついていない、去年の半分以下になりそう」「そういえば、なんか今年は実家の梅が小さいうちにポロポロ落ちてしまってダメだった」「本当に全国的に不作になる見込みらしい」「気温とカメムシ。うちの地域も酷かった」など、頭を悩ませる人の声が多数見受けられる。
すべてがカメムシによるものだとは言い切れないが、梅の不作の原因の一つになっている可能性は高い。梅の名産地・和歌山でカメムシはどんな影響を与えているのか。
和歌山県果樹試験場うめ研究所(以下、和歌山県うめ研究所)に取材したところ、恐るべき被害の実態が明らかになったのだ…。
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和歌山県うめ研究所では、夜間に乾式予察灯を点灯させ、その中に誘殺されたカメムシの数を計数しているという。和歌山県うめ研究所の担当者は、「4月下旬の誘殺数が非常に多く、4月の果樹カメムシ類の誘殺数は直近10年間の数値の中で最も多かったです」と話す。

各地で猛威を振るうカメムシ。なぜ、今年は大量発生しているのだろうか。
担当者は、推察される要因に関して、「昨年の夏以降に発生したカメムシが多く、それらの多くが成虫で越冬したためであると考えられます。実際に行った調査でも、チャバネアオカメムシの越冬量が例年よりも多かったです。カメムシは夜行性なので、夜温が高いと活発になり、果樹園にも飛来し、果実に被害を与える恐れがあるので、注意が必要です」と、説明する。
こうした状況を受けて、和歌山県農作物病害虫防除所は3月下旬に病害虫防除技術情報、4月下旬に注意報でカメムシによる被害の注意を呼びかけたという。

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担当者によれば、特に果実に被害を与えるカメムシは、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの3種類。クサギカメムシは和歌山県ではあまり発生しないが、チャバネアオカメムシとツヤアオカメムシの2種類が加害しているという。

カメムシによる梅への被害に関して、担当者からは、「カメムシは種から養分を吸汁するため、種を吸汁しようとしますが、南高梅等の果肉の厚い品種では種まで口針が届かず、ヤニ果(果実からゼリー状の樹脂のようなものを吹き出すこと)を発生させます。一方、小梅では吸汁されるとカメムシの口針が種子まで届いて、そのまま落果してしまいます」という回答が寄せられている。

こうした被害を受けると、出荷基準によって多少異なるが、梅の商品価値が下がる恐れがあるという。暖冬に加えて、カメムシの被害も受ければ、梅農家にとって大打撃となりかねない。
暑くなり、夜の気温が上がれば、カメムシがさらに活発化し、果実に被害をもたらす可能性が高まる。今年は、カメムシの対策が欠かせなくなりそうだ。

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斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『95』(テレビ東京系)、『Believe─君にかける橋─』(テレビ朝日系)、『イップス』(フジテレビ系)、『アンチヒーロー』(TBS系)。

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