東京都の小池百合子知事(71)が、任期満了に伴う6月20日告示、7月7日投開票の都知事選に3選を目指して立候補する意向を固めたことが25日、関係者への取材で分かった。2期目最後となる、29日開会の都議会定例会で表明することも視野に調整中。子育て支援など都政の継続を訴えるとみられる。
過去2回より早めの出馬表明となる。カイロ大の学歴詐称疑惑や、4月投開票の東京15区補選で応援に入った乙武洋匡氏の落選などで小池人気の陰りがささやかれており、支援団体との調整も必要なことからこの時期を選んだとみられる。
24日の定例記者会見では出馬表明を明言せず「いろいろなご意見や励ましも各方面からいただいている。現職として職務にしっかりと当たっているところだ」と述べるにとどめた。近く、都内の市長会や区長会の有志が出馬を要請する予定。小池氏は国政復帰も絶えず取り沙汰されていたが、都政のかじ取りを続ける方針となった。
派閥による裏金問題の影響で衆院3補選で全敗となった自民党は独自候補の擁立を見送る方向で調整に入っており、現職の小池人気にあやかるべく連携を模索する。都議会で小池氏と関係が深い公明党も対応を検討。立憲民主党や共産党は対決する姿勢で、統一の目玉候補擁立を目指している。
小池氏は2016年、舛添要一氏の辞職に伴う知事選に、当時所属していた自民内の了解を得ずに無所属で出馬し、自民の推薦候補らを破って初当選。女性で初めて首都のトップに就き、20年に再選を果たした。
2期目の任期中には東京五輪・パラリンピックの開催や新型コロナウイルス感染症への対応に当たったほか、都内に住む0~18歳の子どもに所得制限なしで月5000円を給付する子育て支援事業を始めた。
都知事選を巡っては、広島県安芸高田市の石丸伸二市長(41)らが立候補を表明している。
◆小池都政の経過
▼2016年7月 東京都知事に初当選
▼8月 築地市場の豊洲への移転延期を表明
▼17年6月 地域政党「都民ファーストの会」代表に就任
▼7月 都議選で都民ファが大勝し、第1党に躍進
▼10月 代表を務めた希望の党が衆院選で議席を公示前から減らし敗北
▼18年10月 豊洲市場が予定より約2年遅れで開場
▼20年3月 新型コロナウイルスの感染拡大で東京五輪・パラリンピックの1年延期が決定
▼7月 再選
▼21年7月23日~9月5日 東京五輪・パラリンピック開催
▼24年3月 所得制限をなくした高校授業料実質無償化を盛り込んだ24年度予算が成立