栃木で「アメリカンピットブルテリア」2匹が車の窓開け逃走…パンク町田さん「興奮状態にある場合は危険」

栃木県で2匹の猛犬が自動車の窓の電動スイッチを自分で押し、そのまま外へ逃げてしまう騒動が起きた。10日時点でも捕まっていない。
同県警は9日、栃木市の藤岡渡良瀬運動公園付近を走行中の車から体長約70センチの犬「アメリカンピットブルテリア」2匹が逃げ、行方不明になったと発表した。逃げたのは8日午後8時半頃。群馬県伊勢崎市の男性(47)が軽乗用車の後部座席に乗せていたところ、パワーウィンドーのボタンを押し、飛び出したとみられる。
同県警によると、2匹は雄と雌。いずれも体重30キロ前後で、毛は茶色。雄は黒、雌は黄の首輪をつけている。男性の説明では、2匹とも狂犬病の予防接種は済んでいるという。県警は「見つけても近づかず通報を」と呼びかけている。
「アメリカンピットブルテリア」は、かつては欧米で闘犬にも使われていた犬種。動物研究家のパンク町田さんは「凶悪なイメージがありますが、実情は違います。基本的にはおとなしくて人間が好きで、人をかむことはめったにない」と断言する。「海外の闘犬はだいたい賭け目的でした。リング中に飼い主、相手の飼い主、審判がいて、人間に攻撃したらギャンブルにならない」。人間へ攻撃する犬は淘汰されていくので、いまは従順な犬しか残っていないとした。
ただ、かむなどの単純な攻撃力自体は非常に強く「犬が興奮状態にある場合は危険。万一のことはある」と警鐘を鳴らす。一方で「知能は高いが自らの意思でパワーウィンドーを開けられるほどではない。そんなことできるのはチンパンジーレベル」とし、逃げ出したのは「偶然ボタンを押して、楽しくなって出ちゃったのでは」と推測。その他の特徴として「犬にしては鼻は利かない種類。自宅は50キロ離れているので、自力で帰ることは無理」とした。
栃木市教育委員会も公園近くの市立小中学校に注意喚起した。10日朝は、小学生が保護者らに付き添われ登校。教職員が学校周辺の巡回を強化し、警察官も登校時間に合わせパトロールした。同市では4月に、脱走犬が4人をかんでけがをさせたことがあった。

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