「まず湯呑にお湯を注いで…」 京都の茶問屋が教える!苦くならないお茶の淹れ方

おいしいお茶が飲みたいのなら、急須で淹れるのがおすすめです。
では、急須でお茶を淹れるには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。そもそも急須の使い方を知らない人もいるかもしれませんね。
そこで、江戸時代から続く京都の老舗茶問屋である、株式会社宇治香園(以下、宇治香園)に、急須で淹れる時のポイントを聞きました。
まずは、宇治香園おすすめのお茶の淹れ方を見てみましょう。
急須は注ぎ口の根元に網が付いているタイプが便利なのだそうです。網が付いていない場合は茶こしを使えばOK。急須以外には、湯呑、ティースプーンを用意します。
お湯は大きな泡がボコボコ出るまで、しっかり沸騰させるのがポイント。お湯の量は1人ぶんが80~100です。
湯呑にお湯を注ぐのは、湯呑を温めたり、お湯の量を測ったりするだけでなく、お湯の温度を適温にするという意図があります。
煎茶のうま味、渋みの成分が最適なバランスで抽出できる温度が約80℃とされており、湯呑にお湯を注ぐ過程で、ちょうどいい温度になるのだそうです。
茶葉の量はティースプーンに軽く山盛り1杯、2~3g程度が1人ぶん。湯呑のサイズが大きければ少し多め、小さければ少なめに調整しましょう。
先ほど湯呑に注いでおいたお湯を急須に注ぎます。煎茶の場合、浸出時間は1分前後。急須の中で茶葉がゆったりと開いていきます。
それぞれの湯呑に細く少しずつ、何度も往復しながら注ぎます。これを回し注ぎといい、すべての湯呑に均等な濃さと量のお茶を淹れる方法です。最後の1滴までしっかりと注ぎましょう。
※写真はイメージ
宇治香園の茶師によると、「お茶は茶葉の量、お湯の量、お湯の温度、抽出時間の4つの組み合わせによって、風味のバランスが創り出されます」とのこと。
特にお湯の温度は高いと苦みや渋味が強くなり、低いとうま味がしっかり感じられるようになるとのことで、おいしいお茶を淹れるためには重要なポイントです。
続けて、急須を使う時のポイントなども聞きました。
注ぎ口から急須内側の茶こしまでの空間に、茶葉がこびり付くのを防ぐためです。
茶渋が気になる場合は、食品用の重曹を熱湯で溶かし、ひと晩置いてからブラシなどでこすってください。
茶器は使い込むことで、手によく馴染み、風合いが増します。手に入れた時がスタートで、そこから育てるという考え方で接してみてください。
※写真はイメージ
最後に、おいしいお茶を楽しむためのアドバイスを聞きました。
あなたのお好みの風味が、一番いい風味です。当園では商品の裏面の表示に『おいしく淹れる目安』として淹れ方を表示しておりますが、これはあくまでも目安です。
風味の嗜好は千差万別。ぜひ、ご自身のお好みの風味を探してみてください。
また、慣れるまではいつも同じ茶器を使うのもいいですね。同じ茶器を使うことで、抽出のブレが少なく、風味のバランスを決める4つのポイントを把握しやすくなります。
急須を使って自分で淹れたお茶は格別です。ぜひ本記事を参考に、急須でお茶を淹れてみてくださいね。
[文/デジタル・コンテンツ・パブリッシング・構成/grape編集部]

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