発足50年で初の女性消防団員誕生 一宮の秋山さん「地域防災の架け橋に」 長生郡市消防団

今年発足50年を迎えた長生郡市広域市町村圏組合消防団に、初の女性消防団員が加入した。一宮町の秋山莉江さん(38)だ。5月30日、管理者の茂原市長を訪ねて報告した秋山さんは「地域防災の架け橋になりたい」と意気込んだ。
現在、実家の梨農園を手伝っている秋山さんは、1年半ほど前まで双葉電子工業に務め、社員で作る消防隊に参加していた。男性隊員と一緒に訓練したり、社内の操法大会に女性チームの一員として出場したりしていた。
こうした経験を踏まえ、会社を辞めた後も防災活動に携わろうと消防団への入団を志願。今年4月1日付で一宮町の第4支団に加入した。1974年に発足した同組合消防団にとっては初の女性団員で、関野富男団長(65)は「心強い。女性の被災者には男性では対応しきれないこともある。お年寄りにも優しく対応できる」と活躍を期待する。
消防団の幹部とともに茂原市役所を訪れ、管理者の市原淳・茂原市長にあいさつした秋山さんは「ゆくゆくは操法の全国大会に女性チームで行きたい。団員の確保も頑張る」と意欲を語った。
長生地域7市町村の支団で構成する同組合消防団でも、団員の確保は課題。同組合消防本部によると、現在の団員は定員1469人に対し1212人にとどまる。
秋山さんは取材に「女性団員がいるというだけで興味を持つきっかけになると思う。地域の人が消防団のことを知る架け橋になれれば」と見据えた。
同組合消防団には、6月にもう1人の女性団員も加入する予定という。

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