11歳の天才サッカー少年「必要とされる場所に」ドイツの名門 ドルトムントに留学 言葉の壁やアクシデント 祖母の死を乗り越え夢へ一歩

名古屋市天白区の天才サッカー少年、丸山侑希(まるやま・ゆうき)くん、11 歳。(丸山侑希くん)「小っちゃい頃から目指していたサッカー選手。諦めないでずっと目指して頑張りたい。自分が必要とされるような場所に行けたらいい」侑希くんは2022年、あの香川真司選手が在籍した、ドイツの名門・ドルトムントのキャンプに参加すると年代別MVPを獲得。2023年の4月には、現地ドルトムントへ短期留学しました!
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(侑希くん)「またドイツの子とサッカーしたい」帰国後に参加したキャンプでは前年を上回る総合MVPに選ばれ、4月に再びドルトムントへ。そして今回は、父・友之(ともゆき)さんも自費で視察に!(父・友之さん)「子どもがドルトムントへ行きたいって思いがあって、どんな環境でやるのかなと思って」侑希くんは、2度目のドイツ留学で何を得られたのか、11日間に密着しました。
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(侑希くん)「(ドイツは)どこまでも道が続いていく感じ」(スタッフ)「今からドイツに行くけどどう?」(侑希くん)「楽しみ」
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成田空港を出発するとシンガポールを経由し、ドイツのフランクフルトに到着。出発から実に37時間かけて、目的地ドルトムントへ。侑希くんの留学先、ドルトムントはドイツの西部に位置するサッカーの街。ここに本拠地を置くボルシア・ドルトムントは、リーグ(ブンデスリーガ)優勝8回を誇る名門クラブです。
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元日本代表のスター香川真司選手は、2019年まで合わせて7シーズン在籍し、2011年からの連覇に貢献しました。
街の人は…(ドイツの街の人)「カガワ!いい選手だね」(ドルトムントの飲食店 オーナー)「シンジ・カガワを紹介するよ。彼が店を祝うためにくれたシャツだよ。シンジ・カガワはいつもここに座るんだ。彼のお気に入りの席さ!」
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チームを去った今でも街の人に愛されています。その香川選手とともにドルトムントでプレーしたのが、名古屋グランパスの守護神でキャプテンのランゲラック選手です。
(ランゲラック選手)「ドルトムントのスタジアムは世界一だね。サポーターの応援も僕は世界一だと思うね。あそこでプレーするたび夢が叶った気分になれたよ」
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そんな名門クラブのスタジアムをバックに、いよいよ練習開始です。
トップ選手を輩出するアカデミーのコーチたちが、本場仕込みのサッカーを教え込みます。
(マーカスコーチ)「スペースを把握してごらん。自分が行くのか味方が行くのか」
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さらに世界に3つしかないと言われる練習施設「ライトシステム」。ランダムに赤く光るマスから来たボールを止めて、緑色に光るマスへパスを出すという練習です。ドルトムントの選手はここでの練習で判断力を養い、プレーの質を向上させています。2度目の侑希くんは今回ステップアップ!プロのパススピード時速60キロを体験することに。
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最初は止めることすらできませんでしたが…
徐々にプロのスピードに対応することができました。(侑希くん)「速いっす」充実した環境で練習に取り組む中、ホテルでちょっとしたトラブルが…
(侑希くん)「ソウジシテクダサイ。シュー。掃除して下さい」
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受付に思っていることをなかなか伝えられず、引率のゴメスコーチの手助けで…ようやく意図が伝わったようです。
清掃札をもらうだけでも一苦労。(侑希くん)「もう諦めようとしたけど、待って待ってみたいな感じで。結構喋ったよね」(チームメイト)「30分くらい喋った」そして、今回の留学で侑希くんが待ち望んでいたこと。それは、ドルトムントアカデミー生との練習です。
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前回はドイツのトップレベルを肌で感じ、その後の成長を後押していました。(侑希くん)「またドイツの子とサッカーやりたい。上手くなったぞって言いたいですね」しかし…(マーカス)「去年ドルトムントのアカデミー生と練習した選手が何人かいました。しかしながらFIFAの新しい規定で、未成年の外国人は残念だけどアカデミー生と練習させられない」
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念願のアカデミー生との再会は叶いませんでした。また侑希くんの父・友之さんがドイツに来た目的も、アカデミー生の練習を視察することでした。
(父・友之さん)「本当に(アカデミー生と練習できないと)聞いたときはショックでしたね。参加できないっていうのは親より子どもの方が絶対ダメージあるはずなんですよね。やっぱり何でもかんでも上手にものっていうのは運べないじゃないですか。あまりネガティブに感じずに、いい方へいい方へいってほしいですね」
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すると翌日、侑希くんに別のチャンスが訪れました。(侑希くん)「試合です(ドイツ人の)中学生と。楽しみです超」なんと、プロを目指すドイツ人の中学生と試合ができることに!侑希くんも気合十分。限られたチャンスを大切にする理由は、日本からエールを送る祖母・初子さんとの約束でした。
(祖母・初子さん)「(ドイツは)懐かしいな~」(父・友之さん)「ばあちゃんも(昔)ドイツ行ったんだって」
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(祖母・初子さん)「(ドイツは)いいところ。行っておいでドイツは。ドイツは絶対行かなきゃいかん。世界の中で」(祖母・初子さん)「ばあば病気治ったら連れてってね。侑希、行こう」(父・友之さん)「2人で行くって」
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(侑希くん)「限られた時間を大切に一日一日大事にしてやってくるね」(祖母・初子さん)「侑希、ばあばも勇気もらったからね。ガンバレ」
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祖母・初子さんとの約束を胸に、ドイツ人選手との対戦が始まります。
体格は相手が上回りますが、持ち前の技術と判断力でチャンスを作ります。父・友之さんも見守る中、試合開始から27分後、侑希くんに絶好のチャンス到来!しかし…
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最も対格差のある選手にスライディングを受けた影響で、右足首を捻ってしまいました。無念の負傷交代。(父・友之さん)「何か言ってやりたいけど、何でも経験」(ゴメスコーチ)「そういう時あるからね。これもサッカーだよ。君強くなるからね」念願のドイツ人との対戦は、涙で幕を閉じました。
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(ゴメスコーチ)「強かったみんな?頑張ったな」(侑希くん)「なんか、あのでかい子だけビビった」(ゴメスコーチ)「ですね。見たよ、スライディングされて」この試合での悔しさが、侑希くんに今後の目標を与えました。
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(侑希くん)「ああいう人にも対応できる選手になりたい。対格差があっても全ての人に戦える選手」ドイツで味わった大きな挫折。そして、収穫を手にした侑希くん。最後はご褒美!プロの試合観戦です。憧れの舞台をその目に焼き付け、日本へ。
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帰国から12日、侑希くんは更なる成長のために。(侑希くん)「他のキャンプとかもいろいろ行ってみて、自分だけのプレースタイルを作っていこうかなって」そして、侑希くんを応援し続けていた祖母・初子さん。ドイツから帰国して、22日後の5月3日にこの世を去りました。
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(父・友之さん)「母さんももっと見たかったな、侑希を。身内で亡くなったったのは(侑希にとって)初めてじゃないですか。(訃報を伝えたら)ぼぉーと聞いて『う~ん』とは言っていましたけどね」
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(父・友之さん)「おーい、ばあちゃんって言って」(侑希くん)「おーい、起きてこない…」(侑希くん)「ちゃんと受かったよ(地区の)トレセン。次は県トレセン(=県内の優秀な選手の選抜)も行けるかもしれないから、ばあちゃんのためにも頑張るね」
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最愛の祖母のためにも。ドイツでの経験を力に変えて。(侑希くん)「小っちゃい頃から目指していたサッカー選手。諦めないでずっと目指して頑張りたい。自分が必要とされるような場所に行けたらいい」
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