大手機械メーカー・IHIの子会社、IHI原動機の新潟内燃機工場などが船舶用のエンジンなどの出荷時にデータを不適切に改ざんしていた問題で4月25日、国交省による立ち入り検査が行われました。
【飛田厚史アナウンサー】
「交通省の職員がIHI原動機に入っていきます。この後、新潟内燃機工場の検査に入ります」
長年にわたるデータ改ざんの舞台となったのは、IHI原動機の新潟内燃機工場。
「深くお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした」
24日、親会社IHIの盛田英夫副社長などが出席し開かれた会見で、その不正の内容が明かされました。
【IHI 盛田英夫 副社長】
「出荷時にお客様にお示しする書類の中で、エンジンの燃費性能をよりよく見せる書き換えを行っていたことが確認されました」
IHI原動機の新潟内燃機工場と群馬県にある太田工場で行われていた不正。
船舶用のエンジンなどを出荷する際に顧客に提出する「燃料消費率」について実際の試運転で測定されたものとは異なる数値を記録していたということです。
2003年以降に出荷された5537台のうち、4361台でデータの改ざんが行われていたといいます。
一体なぜ、不正が行われたのか…
【IHI 武田孝治 常務】
「関係者のヒアリングでは、燃費データをよく見せることやデータのばらつきを整えることを目的に修正した旨の証言があったほか、前任者から引き継いだという証言もあったことから、本件の背景にはコンプライアンス意識の欠如や職場風土の問題が存在するものと考えている」
さらに新潟内燃機工場では、この不正が長年にわたり行われてきたとする証言もあったと言います。
【IHI 武田孝治 常務】
「1980年代後半から不適切な行為があったというヒアリングの結果がひとつ証言としては得られている」
25日、新潟市と群馬県太田市にある工場に立ち入り検査を行った国交省は関係者への聞き取りを行い、2003年以前の改ざんの実態を確認するとともに再発防止に向けた施策を求めています。
【IHI 盛田英夫 副社長】
「国内外の多くのお客様からの信頼を裏切る行為であり、ものづくりを担う企業としての根幹が問われる由々しき事態であると重く受け止めている」
IHIは今後、特別調査委員会を設置し、不正の全容解明・再発防止策の検討を行う方針です。