立川志の輔さんの話芸に観客大爆笑 「試し酒」や自作を披露 国立劇場おきなわ

【浦添】噺家(はなしか)の立川志の輔さんによる公演が6日、浦添市の国立劇場おきなわであった。沖縄での開催は117回目。始めた1989年当時の噺家は東西合わせても300人余りだったが今や千人近いという。「おかしいでしょう、若者はどんどん減っているというのに。10年くらいすると国民全員が落語家。観客がいなくなりますよ」と満場の観客約630人を沸かせ、「試し酒」と自作の「メルシーひな祭り」を聴かせた。(南部報道部・平島夏実)
試し酒は、大酒飲みだという奉公人が1度に5升飲めるかどうかを「近江屋」の主人と、ある家の旦那が賭ける。
「えぇ酒は違う。酒の方からスゥーっとへえってくる」と杯を傾け続ける奉公人。主人に無駄金を使わせまいと突っ伏しそうになりながら「でぇじょぶだ、しんぺーするな」を連発し、観客をほろりとさせた。
「コクコクコク」と喉の鳴る音が響き渡り、最後の1滴を飲みきると自然と拍手が。秘策を問われた奉公人は「おらぁ5升なんて飲んだことねぇから、(賭けが始まる前に)試しに5升飲んできたんだよ」と定番通りに落とした。
「メルシーひな祭り」はある商店街の人情喜劇。仏政府要人の夫人が「まるで生きているような」ひな人形を娘に見せようと、帰国前に工房を訪れる。
だが、その職人は顔を描く工程専門の「頭師(かしらし)」。胴部も衣装もなく、頭だけがずらりと並ぶ。「これを見て5歳のお嬢ちゃんが喜びますか!?」と半狂乱の外務省職員に町内会長は「うん。確かにこれはひな人形じゃない。どっちかというと鈴ケ森(刑場)みたいな感じだ」と返す。
おもてなし精神に火がついた状態でひらめいたのは神社の階段を使った「リアルひな壇」だった。鮮魚店屋も豆腐屋も仏具店屋も、しまい込んだ着物を引っ張り出して勢ぞろい。手にはフランスパンや枕、位牌(いはい)。「素晴らしい…まるで生きているようだ」。感激するフランスの親子のせりふが大爆笑を誘った。
ほかに「うちなー噺(はなし)家(か)」の志ぃさーさん、琉球古典音楽三線歌者のよなは徹さんなどが出演した。立川志の輔さんの話芸に観客大爆笑 「試し酒」や自作を披露 国…の画像はこちら >>

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする