「先生、みんなの前で言われたら恥ずかしいよぉ!」 園児が人形劇で学ぶ“不適切保育”【子どものミライを守る】

「子どものミライ」を守る…全国で相次ぐ「不適切保育」の問題です。これを防ぐために名古屋の保育園で、園児が先生に「だめなものはだめ」と言えるようになろうと人形劇が上演されました。「皆さんこんにちは!」「こんにちは~!」名古屋市北区の「こどものまち杉村保育園」。
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(人形劇)「先生、ぼくのこと嫌いなのかな…」この日の人形劇は、保育園に通う動物たちが主人公で、テーマは「不適切保育」です。園児にとってはとても難しい内容のように思えますが…
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(保育園を運営 こどものまち 山田清隆さん)「大人だけが気をつけていても(虐待は)減らない。子どもたちから抑止することで将来的に(虐待が)減っていけばいい」全国の保育施設で暴行、虐待といった「不適切保育」が相次いだことを受け、園児自身も「虐待とは何か」を知り、「いやなものはいや」だと言えるようにする保育指導なのです。劇の上演は、この日が初めてです。こども家庭庁によりますと、「不適切保育」は2022年4月から12月の間に全国の保育所であわせて914件確認されています。2023年、三重県桑名市の「長寿認定こども園」では、保育士が園児に給食を強要したり、園児の足を持って引きずったりするなど、52件の不適切保育が確認されました。
杉村保育園で披露された人形劇を作ったのは、普段、虐待相談を受け付けている名古屋市内の団体です。(青少年養育支援センター陽氣会 松原悟さん)「園児たちが大好きな先生に対して『僕それは恥ずかしいからイヤだ』と言うことで、園の雰囲気が変わって児童虐待が少しでも減ればと思う」松原さんがこれまで、子どもの虐待で相談者に面会したのは400回あまり。保護者による虐待も、保育士などによる「不適切保育」も、共通点があるといいます。(青少年養育支援センター陽氣会 松原悟さん)「先生たちは一生懸命。虐待したいと思ってしている先生はいない。人の面(保育や子育て)の大変さで思わず虐待してしまう」保育士が不真面目だから「不適切保育」が生まれるというわけではないと話します。今回披露された人形劇「先生のこと大好きなのに」では、「うさぎ」の先生が「くま」の園児をほかの多くの園児の前で叱るシーンがあります。
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(人形劇)(うさぎ先生)「もっと遊びたいのはみんなも同じだよ!約束の時間がきたのに遊んでるから、ボールが木にひっかかったんでしょ!」(くまの園児)「ごめんなさい…えーん」
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この場面の意図は、1人の園児をみんなの前で叱るより、個別に対話しながら諭したほうが効果的だということ。(園児)「(くまの園児が)かわいそうだった」「いやだよ、みんなの前で怒られるのは」人形劇が終わると松原さんは、同じようなことが保育園であった時にどう言えばいいのかを園児たちに伝えます。(松原さん)「こんなことやっちゃダメでしょ!」(園児)「先生、みんなの前で言われたら恥ずかしいよ」保育の現場のみなさんの「危機感」を感じた人形劇でもありました。

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