オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」(運営会社:トレジャープロモート)はこのほど、全国の株式投資に取り組む20代~70代の男女800名に、どんな株取引に興味があるかのアンケート調査を実施した。
新NISAがスタートし、日経平均株価が史上最高値を更新するなど、いま、日本の株式市場がかつてなく注目を集めている。株式投資に関する様々な記事がメディアをにぎわせているが、実際に株式投資に取り組んでいる個人投資家は、具体的にどんな投資に関心を持っているのだろうか。
同調査は2024年2月22日、事前調査で「株式投資に取り組んでいる」と回答した20代~70代の男女800人(男性396人、女性404人)を対象に、インターネット調査にて実施した。
個人投資家の関心をより正確に把握するため、同調査では、「高配当株で配当生活を実現したい」「デイトレードでがんがん稼ぎたい」「株主優待でお得感を得たい」「インデックス投資で手間なく増やしたい」など合計17(「その他」を含む)の選択肢を提示し、複数回答で選んでもらった。
その結果、最も多くの回答数を得たのは「株主優待でお得感を得たい」で、4割を超える346人(43.3%)が選んだ。2位は、わずかの差で「高配当株で配当生活を実現したい」。株式を保有しているだけで優待や配当などの利益が得られるため昔から個人投資家の間で人気のこれらが、依然として関心を集めている。
また、3位に入ったのが「定期預金より増えれば良い」、4位が「安心感のある好業績銘柄の株を買いたい」ということからも、多くの人が、基本的には安定感のある投資を望んでいることがわかる。5位には「好きな会社の株を買って応援したい」がランクインした。
その一方で、あまり人気がなかったのは「成長株でテンバガー(10倍株)を当てたい」「デイトレードでがんがん稼ぎたい」「IPOで爆上がり銘柄を当てたい」など、大きな利益を追求する投資。ワースト5(「その他」を除く)は、上記のようになった。
今回の結果を年代別に集計したところ、世代による大きな差はあまり見られない。順位の入れ替えはあるものの、すべての年代において「高配当株」「株主優待」が1位と2位を独占している。
ただ、それに続くものを見てみると、20代・30代の若い層では「定期預金より増える」が3位に入っているのに対して、60代や70代以上のシニア層になると「好業績銘柄」を選ぶ人が増えている。
その一方で、新NISAなどで特に人気と言われる「インデックス投資」は、30代で4位タイ、20代と40代では5位(20代はタイ)と上位に入っているものの、60代では10位タイ、70代以上では11位タイと、いずれも下から数えたほうが早いランクとなった。
インデックス投資は特に長期にわたる資産運用法のため若い人ほど有利と言われるほか、年齢が高くなるほど投資歴の長い人が多いと推測されることなどが、こうした結果となって現れているのかもしれない。
800人の個人投資家を対象とした今回のアンケート調査では、大きく稼ぐことよりも、安定した利益や安定感のある投資が人気であることがわかった。また、「デイトレード」や「空売り」など一定のスキルが必要な手法を選んだ人は少なく、手堅く取り組もうとしている人が多いようだ。
ただ、全体的に見ると、それぞれの選択肢が満遍なく選ばれる結果となっている。回答率が4割を超えたのは1位の「株主優待」と2位の「高配当株」のみで、それ以外は1~2割台で拮抗。様々な投資を試みながら、各自がよりよい資産形成を目指していることの現れと言えるのかもしれない。