マイナビは3月25日、「中途採用状況調査2024年版(2023年実績)」を発表した。調査は2023年12月15日~18日、2023年中に中途採用業務を担当し「採用費用の管理・運用」に携わっている人事担当者1,400名を対象にインターネットで行われた。
○中途採用人数、2023年は調査開始以来最高
中途採用活動を行った企業の年間平均採用人数は年々増加傾向にあり、23年は平均21.8人(22年比2.6人増、21年比5.5人増、20年比8.1人増)と、調査開始以来、過去最高を記録。また、23年の退職者数の平均人数は15.6人(22年比3.1人増)で、退職者数に対する採用人数の割合を欠員充足率として算出すると、23年は139.2%となり、中途採用による欠員の充足ができていることがわかった。
23年の中途採用費用の年間平均は629.7万円(22年比55.8万円増)となり、業種別では、「IT・通信・インターネット」が最多の998.5万円。23年に採用した人数と採用費用をみると、採用人数が多く、採用費用が低い業種は「医療・福祉・介護」など。一方で採用人数が多く、採用費用が高いのは「IT・通信・インターネット」など。中途採用費用が増加傾向にある中、業種別の費用感や採用人数には業種間のギャップがあることがうかがえた。
○中途採用に対する2024年の見通しは?
次に、24年の中途採用の見通しについて聞いたところ、91.8%の企業が「積極的」(前年比1.0pt増)であることが明らかに。特に、「IT・通信・インターネット」では95.5%と非常に高く、そのうち「経験者採用は積極的だが、未経験者採用は消極的」(54.3%)が他業種に比べて高いことから、経験者を採用ターゲットとする動きが予想される。
一方で、「経験者採用・未経験者採用ともに積極的」が最も高い業種は、「サービス・レジャー」で45.7%。2024年の中途採用も積極的に行われることが考えられると同時に、業種間における採用ターゲットの違いも見受けられた。
また、昇進・昇格のスピードについて聞くと、「優位性に違いはない」(43.3%)が最も高くなったが、「新卒採用者の方が優位」は38.8%、「中途採用者の方が優位」が11.6%と、新卒採用者が大きく上回る結果に。従業員数別にみると、「301名以上」の大手企業では「新卒優位」が最も高く、反対に「300名以下」となる中小企業では「優位性に違いはない」が最も高くなった。