小林製薬の「紅麹」サプリ問題 なぜ腎臓にダメージが? 薬学の専門家は「異物混入」の可能性を指摘

(夏目みな美キャスター)小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントについての問題、まずは健康被害の概要をまとめました。
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(柳沢彩美アナウンサー)3月22日に小林製薬が会見を開きました。紅麹の成分を含むサプリメントを摂取した人に、健康被害が出ているということを明らかにしたのです。その健康被害というのは腎疾患などを発症しているということでした。これまでに、このサプリメントを飲んでいて亡くなった方が2人、入院されている方が106人、この問題に関する相談件数は3000件ほどとなっています。(夏目キャスター)紅麹の成分を含む製品が問題となっているのですが、そもそも紅麹というのは一体どういうものなのでしょうか?
CBC
(柳沢アナ)紅麹は、米などの穀物を麹菌の一種である「紅麹菌」で発酵させてできたものです。紅色(べにいろ)をしていて着色料などに使われます。また、この紅麹に含まれる「モナコリンK」という成分が、コレステロールを抑える働きがあることから、健康食品にも使用されているということです。
CBC
(夏目キャスター)この小林製薬の製造した紅麹を他社も使用しているということで、自主回収の動きが広がっているんですね。(柳沢アナ)この「紅麹原料」というのは、2016年に他社向けの販売が始まりました。内訳は自社で2割、他社で8割で、食品メーカーや原料商社など52社が使用しているということです。この紅麹原料を使用した商品に、これまで健康被害の報告はなかったのですが、小林製薬は各社に使用を中止するよう連絡をして、自主回収が続いています。「紅麹コレステヘルプ」は2021年に発売したサプリメントなのですが、ことし1月になって、このサプリを飲んで健康被害、腎疾患などが起きたという報告がありました。また亡くなった2人の方のうち、1人は急性腎不全で亡くなっていて、この「紅麹コレステヘルプ」を3年間飲んでいたこともわかっています。小林製薬では死亡との因果関係は「調査中」ということです。
(夏目キャスター)小林製薬によりますと、サプリメントから「未知の成分」が検出されたということなんですが、この「未知の成分」が原因として強く疑われるということでしょうか?
CBC
(大石邦彦アンカーマン)2016年に紅麹原料が販売されましたが、その製造過程で問題があれば、健康被害はもっと早く出ていたのではないかという見方もあります。では、「未知の成分」とは一体何なのか、名古屋市立大学大学院の薬学研究科の中川秀彦教授を取材しました。異物が混入した可能性があるというのが大前提ですが、混入した異物そのものが悪影響を与えてしまった可能性が一つ。もう一つは、混入した異物と紅麹菌が合わさったことで「毒性のある物質」が発生してしまった可能性も指摘されていました。
CBC
(夏目キャスター)その成分の分析なども今後されていくと思うんですが、健康になりたくて飲むサプリメントですから、やはり継続的に飲むものということで、知らない間に蝕まれ続けていたということも考えられるのでしょうか?(大石アンカーマン)中川教授はサプリメントであることもポイントだと言われているんですね。どういうことかといいますと、サプリメントというのは成分を濃縮した形で加工して日常的に摂取するわけです。ですので、摂取制限を超えやすい。毒性のあるものであれば、摂取制限を超えると、体に悪影響を与えてしまうということが考えられます。そして、「機能性表示食品」と異物混入との関係性も指摘されています。この機能性表示食品は医薬品ではなく、あくまでも食品なんですね。医薬品ほど管理が厳密ではないということで、異物が混入した可能性も指摘されていました。医薬品というのは、効果・安全性を国が審査していますけれども、食品というのは製造責任は製造メーカーが負うことになります。これは一企業だけの問題なのか、機能性表示食品のあり方も影響しているのか、その辺がポイントになってきそうですね。
CBC
(夏目キャスター)小林製薬は体調不良を感じるなどしたら、健康相談受付センターへ連絡してほしいと話しています。

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