大型観光バスが小さなトンネルの入り口に激突 高齢者の日帰りツアーで死傷者多数

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複数の高齢者が犠牲となる、なんとも痛ましいバス事故が台湾で発生していた。シンガポールの『AsiaOne』や台湾の『Taiwan News』が報じている。

事故は台湾の高雄市仁武区で、20日の午後8時頃に発生。大勢の高齢者を乗せた大型の観光バスが、トンネルに入ろうとした瞬間、車高が高すぎたあまりに天井がトンネルに激突してしまった。
車体は大きく潰れ、最前列に座っていた80歳のゾウさんという男性が現場で死亡した。頭蓋骨の骨折と脳挫傷が確認されている。

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バスは阿里山への日帰りツアーだったといい、60~80歳の観光客25名のほか、ガイド1名、運転手1名の計27名を乗せていた。
この事故によりほかに14名が地上に落下するなどして重軽傷を負い、近くの病院に運ばれた。すでに8名が退院したが、6名はいまだ入院中で、うち1名は集中治療室で治療を受けている。

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運転手のデン(56)は、じつはその地域に不案内だった。事故後は過失致死の疑いで台湾橋頭地方検察庁に移送された。またアルコール検査は陰性だった。
事故の連絡を受け、すぐ現場に駆け付けたゾウさんの娘は、父親の無残な姿に泣き崩れた。事故の直前に「無事、高雄市に着いたよ」と電話をもらったのが、最後の会話になってしまったという。

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高雄市警察は「バスの車高が3.8メートルもあった一方、トンネルの高さはわずか2メートル」と発表しており、あまりの差に、マイカーの運転と錯覚していた可能性も考えられるようだ。
また、高雄市車両管理局が各種の検査を実施した結果、同社の安全管理体制の不備が発覚。会社には6万台湾ドル(約29万円)の罰金が科せられ、所有のバス5台が3ヶ月間の運行禁止となった。
なお、デンの運転免許は3年間取り消されることが決定している。

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