ロシア軍で「ニセ兵器」増加中?ウクライナ軍の目を欺こうとする“オトリ”を確認 その効果は

その効果は?
イギリス国防省は2024年3月20日、ロシア軍がウクライナへの全面侵攻で被った多大な損害を軽減するため、目標を誤認させる迷彩や欺瞞の使用を重視していると発表。衛星写真が捉えたデコイ(囮)の潜水艦のシルエットも公開しました。これは黒海に面したロシア南部のノヴォロシスク港で確認されたとしています。
ロシア軍で「ニセ兵器」増加中?ウクライナ軍の目を欺こうとする…の画像はこちら >>ロシア海軍のキロ級潜水艦。写真は本物(画像:ロシア国防省)。
過去2年間で、ロシア軍は黒海艦隊や航空戦力などに大きな損害を被っています。イギリス国防省は、ロシア軍が損失を軽減するため、「マスキロフカ」と呼ばれる欺瞞工作を増加させ、改善に努めていると指摘しています。 ロシア軍の戦闘教義では、生存性の向上や作戦意図を隠蔽するために、「マスキロフカ」が重視されています。ただ、ウクライナへの全面侵攻を開始した当初は、効果的に実施されなかったといいます。
イギリス国防省によると、ロシアの空軍基地では、囮となる航空機のダミー模型を配置したり、機体の上にタイヤを置くなど、目標を曖昧にする欺瞞工作を施しているとのこと。機体のシルエットが書かれた基地もあるとしています。 海洋分野では、黒海艦隊の艦船の船首と船尾を黒く塗装し、軍艦がより小さく見え、標的として魅力的でないように見せかける欺瞞を仕掛けているそう。岸壁に船舶のシルエットが書かれたケースも確認されており、ウクライナ軍の無人機操縦者を混乱させる意図があると分析しています。 ただ、イギリス国防省は「こうした隠蔽の試みにも関わらず、ロシアの航空機や船舶は依然として脆弱」と指摘。「欺瞞技術の使用が大幅な損失の削減につながる可能性は低い」との見解を示しています。

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