日本銀行が１９日、マイナス金利政策の解除を決定、これにより１７年ぶりの「利上げ」となります。私たちの暮らしにはどのような影響があるのか。専門家の見解と街の声を聞きました。
【日本銀行 植田和男総裁】
「マイナス金利政策といった大規模な金融緩和政策はその役割を果たしたと考えています」
日銀は１９日、目標とする物価上昇率２％が続いていること、連合が今年の春闘の平均賃上げ率が５％を超えたと発表したことを背景にマイナス金利を解除すると発表しました。
【長岡大学経済経営学部 栗井英大教授】
「現在、賃金も上がり物価も上がりということで経済の好循環が見えてきたところで今回１７年ぶりに日銀が利上げを実施した」
地域経済に詳しい長岡大学の栗井英大教授は、利上げがもたらすメリットについて。
【長岡大学経済経営学部 栗井英大教授】
「わかりやすい所で言うと預金金利が上がっていくということ。今回の大手メガバンクの金利の引き上げに伴って当然、地方銀行・信用金庫・信用組合も金利を上げていく可能性が高い」
預金金利の上昇について街では…
【街の人】
「今まで（銀行に）預けても何でも無いというイメージだった。そういう意味ではいいのかな」
【街の人】
「手持ちの預金が少しでも増えてくれれば・だって物価が上がってお買い物が大変ですものね」
期待する声がある一方で
【長岡大学経済経営学部 栗井英大教授】
「住宅ローン、車のローンを借りている方の借入金利が上がる可能性があるのでそこが大きなデメリット」
住宅ローンを借りている人の７割以上が利用しているという「変動型金利」の上昇が懸念されますが、今すぐ変化があるわけではないといいます。
【長岡大学経済経営学部 栗井英大教授】
「今回、マイナス金利を解除したところで、すぐに金利が大幅に上がる訳ではありませんので、そういう意味では急いで何かをしなくてはいけない状況にはまだないと思う」
【街の人】
「実際、数字（今後の金利）が分からないので、今は何も考えていない」
栗井教授はいまは、今後の金利の上昇に備えるタイミングだと話します。
【長岡大学経済経営学部 栗井英大教授】
「例えば他の金融機関、金利の低いところに借り換えを検討してみるとかあるいは一部繰り上げ返済をすることで返済負担を軽減していくことは考えていく必要があるという気がする」
今回、日銀は、「経済の好循環を確認できる」という判断の下利上げに舵を切りましたが。
【街の人】
「給料が上がった人もいっぱいいるがうちはまだ上がっていない」
【長岡大学経済経営学部 栗井英大教授】
「東京都との格差というか上げ幅に違い、タイミングの違いはあるかもしれないが、これから新潟についても経済が好循環、いい回り方をしていくのではないか」