“頂き女子りりちゃん” 居場所を求めて通ったホストクラブ 給料では足りず「ソープランドで働きました。月100万円ぐらい」検察は懲役13年と罰金1200万円求刑【渡邊真衣被告 裁判】

男性3人から合わせて1億5000万円以上をだまし取った罪などに問われた「頂き女子りりちゃん」。15日の裁判で、検察側は懲役13年、罰金1200万円を求刑しました。被告人質問で語られた犯行の実態とは…
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(検察側)「例えば、お金をもらった人から、トラブルについて弁護士へ相談するようもちかけられたら?」(渡邊被告)「もうすでに相談したけどダメだったという感じで言っていました」(検察側)「お金をもらった後には男性にどうしていた?」(渡邊被告)「お金をくれたおかげで、すごく助かったと感謝を伝えることが一番大事だと思っていた。承認欲求を満たすことで次も頂けるし、お金を返せとか後々問題にならないようにアフターケアしていました」
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トラブルの回避方法や、金をもらった後のアフターケアまで決まっていたといいます。起訴状などによりますと、「頂き女子りりちゃん」こと住居不定・無職の渡邊真衣被告25歳は、2021年3月から2023年8月にかけ、マッチングアプリや当時勤務していた風俗店で知り合った50代の男性3人から、現金合わせて1億5500万円以上をだまし取った詐欺の罪などに問われています。
これまでの裁判で渡邊被告は、詐欺の罪や男性から金をだまし取るための「頂き女子」マニュアルを販売するなどした詐欺幇助の罪について、起訴内容を認めています。
15日、名古屋地裁で開かれた裁判。被告人質問があるためか、今までと異なり、開廷直後から浅い呼吸を繰り返し、過呼吸に近い状態にも一時陥った渡邊被告。裁判長や弁護士から「大丈夫ですか?」と声をかけられると「大丈夫です。ごめんなさい」と小さく述べました。
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渡邊被告は、約4000万円を脱税した罪について問われると「間違いない」と起訴内容を認めました。
続く冒頭陳述で検察側は「YouTubeで納税の必要性を指摘されたが、確定申告しなかった」と指摘。その後、2人の証人尋問を経て、ついに始まった被告人質問。渡邊被告は「家や学校に居場所がなかった」と自身の生い立ちを振り返ったあと、ホストクラブに通うようになったきっかけを語りました。
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(渡邊被告)「20歳の時、移った職場になじめず、いづらくなった。それでホストクラブに沢山行くようになった」居場所を求めて通うようになったホストクラブ。しかし、遊ぶには金が必要で、昼職の給料では足りなくなったといいます。(弁護側)「それでどうしましたか?」(渡邊被告)「ソープランドで働きました。月100万円ぐらい(稼いだ)」(弁護側)「ホストクラブには週何日、行っていた?」(渡邊被告)「毎日です。クレジットカードも全部使い果たして、それでも足りなくて、詐欺をしました」(弁護側)「頂き行為ですか?」(渡邊被告)「はい」
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男性に恋愛感情を抱かせた後、架空の設定で金に困っていると伝え、金をだまし取る「頂き」。渡邊被告も「悪いことをしているという感覚はあり、心は痛んだ」といいますが、精神安定剤をオーバードーズして、何も考えないようにしていたと話しました。男性からだまし取った金のほとんどはホストクラブで使っていて、一番多く使った担当ホストである「狼谷歩(かみや・あゆむ)」こと田中裕志被告26歳に使った総額は、1億1000万円ほどにのぼるということです。
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田中裕志被告も、渡邊被告が犯罪で得た金だと知りながらホストクラブでの飲食代として、現金約3400万円を受け取った罪などで起訴されています。(検察側)「最終的な目標はどこにあったんですか?」(渡邊被告)「担当に喜んでもらって、自分のことを良い子だなって思って欲しい気持ちだけだった。担当が1000万プレイヤーになりたいと願望を言っていたから、もっとお金をもらわなきゃと思った」
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起訴された詐欺事件のうち、1人の男性からだまし取った金額は1億円を超えています。被害者の男性は生命保険を解約するなどして、渡邊被告を助けようと金を支払っていました。(弁護側)「頂き行為についてどう思っていますか?」(渡邊被告)「被害者の人たちは私のうそを信じて、全部善意の心で私のことを助けようとお金を用意してくれたのにだましていたことは、申し訳ないと思っています」
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さらには、「頂き行為」のやり方をマニュアルにして販売し、約2000万円を売り上げました。(渡邊被告)「私のせいで私のことを慕ってくれる女の子が犯罪に手を染めてしまった。私が全部責任を取らないといけないと思っています。マニュアルを売らなければ良かったと後悔しています」脱税については…(弁護側)「なぜ納税しなかった?」(渡邊被告)「税金を申告して払ってしまったら、ホストの担当にお金を使えなくなって、そうしたら捨てられてしまうと思ったからです」検察側は「入れあげたホストの売り上げに貢献したいと、その原資を求めたもので、短絡的で身勝手極まりない。男性の恋愛感情につけ込んだ卑劣な犯行で、十分な計画性も認められるうえ、同種犯罪を助長した責任は重い」などとして懲役13年と罰金1200万円を求刑。
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一方、弁護側は「単なる遊興ではなく、存在意義を見い出すためにやっていたことで、ホストに利用された被害者的側面もある。全国に名を知られるなど社会的制裁も受けた」などとして寛大な処分を求めました。これまでの人生を振り返り渡邊被告は…
(渡邊被告)「親から愛して欲しかったし、ちゃんと心を開けるような友達が欲しかった。体売ったり、詐欺しない生活が良くて、ホスト毎日頑張らなきゃって追い詰められる生活じゃなくて…普通の生活を送りたかったです」
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いずれ社会復帰した後の将来について、渡邊被告は支援者に対し、悩む女の子たちのカウンセリングなどをしたいと手紙に綴っていたといいます。法廷でも…渡邊被告は「私と同じような境遇の女の子が沢山いる。私と同じようになってほしくないので、勉強をたくさんして、ちゃんと知識を得て、資格を取って、そんな子たちを救えるように成長したい」と話しました。
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ホストとの関わりについては、「またホス狂いになると、詐欺をしてしまうことになるから、支援者を裏切ることになる。そんなことはしたくないから、ホス狂いにはならない」と誓いました。
判決は4月22日に言い渡される予定です。

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