両側使えばいいのに…旅客機なぜ「左側のドアだけで乗り降り」するのか 実は右側使っていた例も

飛行機の乗り降りをする際、ほとんどの空港では機体の左側のドアを用います。もし右側のドアも使用することができれば、より短い時間で乗り降りできるケースもありそうですが、なぜ左側のみを使うのでしょうか。
飛行機の乗り降りをする際、ほとんどの空港では機体の左側のドアを用います。これはターミナルビルから搭乗橋を使うケースでも、バスを使って「タラップ」という専用車両で乗り降りする場合でも、同様です。一部プロペラ機では、胴体前方ではなく後方から乗り降りする機種もありますが、ここでも使用されるのは左側です。
もし右側のドアも使用することができれば、より短い時間で乗り降りできるケースもありそうですが、なぜ左側のみを使うのでしょうか。
両側使えばいいのに…旅客機なぜ「左側のドアだけで乗り降り」す…の画像はこちら >>羽田空港に駐機するJAL機(乗りものニュース編集部撮影)。
これは「船」の名残といわれています。船の左舷は「ポート・サイド」と呼ばれ、かつては左舷から港へ接岸し、人の乗り降りを行うことが一般的でした。飛行機には船にならった用語や慣習がたくさんあり、そのひとつとしてこの「左側からの乗り降り」がスタンダードとなっているようです。
一方、JAL(日本航空)によると、右側のドアも違う目的で使用されているとのこと。清掃スタッフの乗り降りや、食事や販売品を機内に搭載するため、右側のドアを用いることが一般的だそうです。また、車椅子の人の乗降にも、右側ドアを使うことがあるといいます。
とはいえ、右側を用いて一般の乗客が搭乗するケースもまったくないわけではありません。
かつて北九州を拠点とする航空会社、スターフライヤーが、羽田空港発着便の一部で右側からの搭乗・降機を行っていましたが、2020年をもってその運用を終了しています。またかつて羽田空港の第2ターミナルの一部スポットでは、ボーイング747のような2階建ての超大型機からの降機時、両側に搭乗橋を接続させることもあったそうです。

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