「昭和世代なんで許してください」は通用しません セクハラの線引きは? 「フレンドリーに個人情報を聞いてくる上司の会話が嫌」

第三者委員会によって、99の言動がセクハラなどと認定された岐阜県岐南町の小島英雄町長が、5日付で辞職しました。平成元年に新語・流行語大賞になった「セクハラ」。以前に比べて理解は深まっているのでしょうか。
今回は「相手にされたり言われたりして嫌だったことを教えてください」と視聴者の皆さんにLINEでアンケートをとりました。まずは「過去にこんなことがあった」というコメントをご紹介します。
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(50代女性)「35年前、職場はタバコ吸い放題。お尻を触る…セクハラざんまいだった」(60代女性)「40年前、社員旅行の写真が貼り出された際、前歯がすいているのが悩みの私だけ、似顔絵が描いてあった。その場は笑って済ますしかなかった」(70歳以上女性)「会社の宴会でお酌をしないといけなかったこと。昔はしょうがなくやっていたけど今ならハラスメント」
中には、こんなことをしてしまっていたという人も。(70代以上男性)「若い頃、岐南町長のようにしていたことある。顔見知りになれば『ちゃん付け』、肩をポンポンくらいはあった」
続いては、今もこんなことありますという意見です。
CBC
(30代女性)「就職してすぐ『女だから出勤したらみんなのお茶を準備して』と言われた。同期の男の子が手伝ってくれたが世代を感じた」(40代女性)「個人情報をフレンドリーに聞いてくる上司との会話が嫌です」(30代男性)「『結婚しないの?』『彼女いないの?』と聞いてくる。男だから聞いてもいいということではない」(40代女性)「年代的にはしてしまう側。笑って肩を叩いたり…」
現在進行形の話ということですね。パワハラやマタハラなどいろいろあって、意識も高まってルールも決まってという中でもやっぱりいろいろとある。特にセクハラの線引きというのは皆さん敏感というか、よくわからないとおっしゃる方が多いような気がします。
職場でセクハラは、そこに合理的な理由があるかどうかというのがポイントだそうです。例えば『子供何人いますか』というのが、もし人事情報として必要なことであれば合理的な理由がありますが『もう子供産まないの?』というのは、総務や人事の情報に関係ないわけです。
職場で合理的な理由があるのかどうか、という言動を見てほしいと思います。では、なぜセクハラが起きるのか。
CBC
ミッレ・フォーリエ法律事務所の堀江哲史弁護士によると、セクハラが職場で起きる構造というのは「地位が上の人が下の人に対して無神経なことを言う」。この流れの中でセクハラが起きやすいということなんです。しかし、年配の人かどうかに問わず、各年代でセクハラは起きていると。
平成元年今から35年前に「セクハラ」は、新語・流行語大賞に。定義づけされて、認知度も上がりました。被害者は「あ、これセクハラなんだ」と気づきやすくなり、加害者は「これはセクハラに当たるかもしれないな」とセクハラの抑止にも繋がっているということなんです。
たまに「私は昭和世代なんで許してください」なんていう方がいらっしゃいますが、セクハラを時代のせいにしないで欲しいと思います。どの時代でもセクハラを受けた人の心の傷の深さは変わりません。

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