地域おこし協力隊がSNSやイラストで魅力発進…芦別市・あの街行く北海道

かつて炭鉱で栄えた芦別市は過疎化、人口減少が続いているが、道外から移住した2人の女性が市の「地域おこし協力隊」として“星の降る里・芦別”の魅力をSNSなどで全国へ発信し、反響を呼んでいる。写真撮影、イベント企画などを行う東京出身の佐野貴美恵さん(52)と、風景、自然などをイラストで紹介する広島出身の岩崎佳奈美さん(32)だ。(取材・小林 聖孝)
芦別市の「地域おこし協力隊」は、移住者を対象に2013年にスタートした。任期は最長3年。22年4月に採用された佐野さんと岩崎さんは、新たな視点や自由な発想でまちづくり推進を担う「フリーミッション型」(企画提案型)活動に取り組む。
佐野さんは以前、商品写真のカメラマンや子ども向けイベント企画などを経験した。芦別には観光で訪れて、魅力を感じ「子育てが一段落したのを機に、キャリアを生かし、第2の人生をスタートさせたい」と22年に移住。降るように美しい星空、夏祭り「健夏山笠」などの撮影、商店街と協力したイベントも企画し、SNSで発信している。「芦別には手つかずの自然も多く、魅力を全国に伝えたい」。野菜ソムリエの資格も取得し、任期終了後は住民と旅行者が交流できるカフェを開業する予定だ。
岩崎さんは、夫と21年秋に東京で開催された「移住フェア」を訪れ、芦別市関係者に声かけされたのがきっかけで、翌年に移住した。「初めて来たのに、どこか懐かしくエモい」と魅力を説明する。芦別駅、沢踏切などの春夏風景を発信し、好評。それらをまとめた小冊子「あしべつぐらし」も製作した。今後”秋冬版”も発刊予定だ。市内でイラスト事務所の開業も計画しており「イラストを通し、芦別の魅力を、心で感じ取ってほしい」と意欲を見せている。
◇芦別グルメ 白菜、イカ、豚肉、山菜、卵など具材たっぷりのスープの「ガタタン」が有名。ガタタンラーメン、ガタタンチャーハンなど市内多くの店で食べられる。
◆芦別市 道央に位置し、人口約1万1550人。市域の約9割が山岳、森林地帯。主な産業は林業、農業など。「星の降る里」の愛称で、美しい星空も有名。スポーツ合宿誘致にも力を入れている。出身著名人に俳優の水谷豊、元プロ野球選手の高橋慶彦らがいる。

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