年収の壁のリアルを調査! 「年収の壁」による困りごと、第1位は?

エン・ジャパンは1月31日、”派遣型のアルバイト”を集めた求人サイト「エンバイト」上で、「年収の壁」に関するアンケートを実施した結果を発表した。同調査は、2023年11月28日~12月25日にサイト利用者を対象にインターネットで行われた。

「年収の壁」とは世帯主の扶養範囲で働くパート・アルバイト労働者の年収基準のこと。「年収の壁」には「106万円」「130万円」などいくつかのラインがある。年収が一定額を超えると、世帯主の扶養範囲から外れ、社会保険料などの負担が発生し、手取りが減少することがある。そのため、年収が扶養範囲を超えないように気をつけながら働くという労働者もいることから、「年収の壁」と呼ばれている。

「年収の壁(103万円の壁、130万円の壁など)について知っていますか?」について尋ねると、「知っていて、説明できる」は31%、「説明できないが、聞いたことはある」は58%、「知らない」は11%だった。

「知っていて、説明できる」「説明できないが、聞いたことはある」と回答した方に、年収の壁によって困った経験があるかを伺うと、「ある」と回答した方は42%だった。(ある:18%、どちらかと言えばある:24%)。

年代別で見ると、30代が46%で最も高い結果になった。(20代以下:41%、40代:43%、50代以上39%)。

年収の壁によって困った経験がある人に、どのような困りごとがあったかを尋ねると、トップは「もっと働きたいのに働けない」(63%)だった。次点に「就業時間の管理・調整が大変」(51%)が続いた。具体的な理由も紹介する。

年収の壁での具体的な困りごとは以下の通り。
・大学生の夏休みは何かとお金が必要で、夏休みにかなりバイトしてしまった結果、12月に皺寄せがきて、クリスマスや年末に金欠になることが多々ある。(20代男性)

・希望の仕事があっても、「週に何時間以上働ける方」という条件に当てはまらないことが多い。(30代女性)

・最低賃金が上がっても130万の壁がある以上、生活水準は同じである。むしろ働きたい仕事は長時間勤務希望が多く働けない。何十年経過しても130万円の壁がある限り同じ生活基準であることに政府は気付いて欲しい。(40代女性)

「2023年10月から政府が開始した”年収の壁対策“(年収130万円を超えても連続2年までなら扶養にとどまれるようにする方針)について知っていますか?」と尋ねると、「知っていて、説明できる」は12%、「説明できないが、聞いたことはある」は46%、「知らない」は42%だった。

年代別で見ると、年代が上がるほど「知っていて、説明できる」の回答割合が上がることが分かった。(20代以下:8%、30代:9%、40代:13%、50代以上:17%)。

年収の壁対策について「知っていて、説明できる」「説明できないが、聞いたことはある」と回答した人に、現在と今後の働き方を尋ねると、働き方を「変えた」は4%、「これから変える予定」は15%で、約2割の人に影響を与えていることがわかった。

働き方を「変えた」「これから変える予定」と回答した人に、どのように変えた/変える予定かを尋ねると、「現在の勤務先のままで、勤務時間を増やす」が38%で最多だった。

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