写真スタジオの元経営者はカメラマンという立場を悪用し、一生に一度の晴れの舞台に臨む女性の着替えや、文化祭を楽しむ女子生徒のスカート内の盗撮を繰り返していた。
京都市左京区の写真スタジオ「ふたりと写真館」(閉店)で隠しカメラを設置し、女性の着替えを盗撮したとして、自称アルバイトの土田達郎容疑者(41)が22日、府迷惑行為等防止条例違反(常習盗撮)の疑いで京都府警人身安全対策課に逮捕された。
土田容疑者は2021~23年、客に見つからないようにスタジオの更衣室にスマホを設置。穴の開いた靴下の中に小型カメラを隠し、それを照明などの撮影機材にくくりつけ、成人式の前撮りに訪れた当時19~20歳の女性たちが着替える様子を動画で盗撮していた。
さらに文化祭や記念撮影の依頼を受けて訪問した京都府内の中学校や高校でも、女子生徒のスカート内や着替えを繰り返し盗撮していた。
「中学校や高校の生徒たちが文化祭を楽しんでいる様子を撮影する一方で、女子生徒のスカート内にこっそりレンズを向けて下着を盗撮していた。別の中学校ではクラス写真の撮影の仕事を頼まれた際にも、教員や生徒の目を盗んで女子更衣室に侵入し、隠しカメラを仕掛けて動画盗撮していた」(捜査事情通)
■10年前から2500件
調べに対し、「10年ぐらい前から盗撮していた」と容疑を認めている。
店のHPでは<1日3組限定 完全予約制のプライベート空間のスタジオ>とうたい、<ウエディングを専門にしていたフォトグラファーの2人がオープンしました>とあり、土田容疑者と女性の名前が併記されていた。女性は昨年10月1日、単独でスタジオを経営し、社名を変更すると説明していたが、昨年12月31日、スタジオは閉店した。
一連の犯行が判明したのは、昨年9月の逮捕がきっかけだった。
土田容疑者は地下街からJR京都駅に上がる階段で30代の女性の背後からスカート内にスマホを差し入れて盗撮しようとして、警戒中の鉄道警察隊に見つかった。自宅をガサ入れしたところ、約2500件の盗撮画像などのデータが出てきた。
「盗撮を始めたころは駅や電車内で下着の撮影をしていたが、徐々にエスカレートしていった。自らの職場で女性の着替えを盗撮したり、依頼された先の学校で犯行に及ぶなど、仕事の現場でも盗撮するようになった。2500件のデータはほぼすべて動画で、被害者を特定できないケースがほとんどです。盗撮されたことにさえ気づいていない女性もたくさんいます」(捜査事情通)
思い出の一枚を撮ってもらうため、プロのカメラマンに依頼した女性たちの気持ちを踏みにじる行為だ。