県警警察官と千葉海上保安官が逮捕術の交流試合を通して技術を高めながら職業の魅力を発信し、人材確保につなげようと、組織の垣根を越えた真剣勝負を市原市能満のゼットエー武道館で初めて行った。参加した警察官と海上保安官の計25人は、市民を守るプライドをかけて熱い戦いを繰り広げた。
実施した交流試合は「陸と海の警察!!勝つのはどちらだ!」。県警と海上保安庁はともに採用試験の競争倍率低迷という課題を抱えており、逮捕術を通じて業務の魅力を発信しようと開催した。逮捕術は犯人を取り押さえるため、剣道や柔道などさまざまな武道の動きを組み合わせた警察の武術で、海保でも行われている。
試合は警棒、徒手、短刀などを組み合わせた団体戦で行った。千葉海上保安部、木更津海上保安署、木更津警察署、市原警察署の4チームが、警棒で相手の胴を狙うなどして熱戦を繰り広げた。総当たり戦の結果、市原署が優勝した。木更津署が準優勝し、警察側が海保を圧倒した。
参加した市原署の萩谷駿巡査(26)は「互いに市民を救う目的は一緒。仕事していく上で励みになる貴重な体験だった。逮捕術に興味を持ち、警察志願者が増えれば」と願った。
千葉海上保安部の吉田豪・一等海上保安士(24)は試合を振り返り「1勝もできず悔しい。海保よりも上手な選手が多かった。ただ、海保には制圧以外にも救難もあり、さまざまにスキルアップする環境がある」とアピールした。
交流試合の模様を、県警は「YouTube」などで発信する予定。