船が転覆し全員運河へ落下 船頭の「自撮りやめて」警告を観光客が無視

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イタリア・ベネチアの運河で、船頭の「自撮りをやめて座ってください」という警告を無視した中国人の観光客が、ゴンドラを転覆させた。『The Guardian』や『Sky News』が伝えている。

ゴンドラの転覆事故は、イタリア有数の観光地であるベネチアの運河リオ・デ・ラ・ヴェローナを航行中に起きた。
中国人の団体を乗せたゴンドラが低い橋の下をくぐろうとした際、船頭が観光客たちに「座ってじっとしてください」と叫んだが、観光客らは無視し続け、一斉に立ったまま自撮りを始めた。
結果、重心が片方にかかり、傾いたゴンドラが転覆。全員が冷たい運河に投げ出されたという。
船頭はまず一人を岸に助け上げ、他の乗客を救出するために、何度も水の中に飛び込み救出を続けた。

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見物人たちはこの光景を撮影し、ゴンドラにしがみついているずぶ濡れの観光客たちの姿は、TikTokなどのSNSで拡散された。
事件の直後には、ベネチアでの観光客の救出を撮影したアカウントがInstagramに登場し、大きな反響を呼んだ。
観光客の一行は全員が無事に救助され、近くのフェニーチェ劇場に一時的に避難し、寒さを凌いだという。怪我をした人もいなかった。

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ベネチアでのゴンドラ転覆事故については、観光客の自撮りとともに、現代人の「太りすぎ」にも原因があるという。
2020年、ベネチアのゴンドラ協会は、年々体重が増える観光客による負担増を理由に、乗船の定員を減らしてきた。
ベネチアの運河を巡る定番コースのゴンドラの定員は6人から5人に、大運河を横断するコースの定員も14人から12人に減らしている。
ゴンドラ協会の関係者は以前『The Guardian』の取材で、「10年前、15年前と比べると、観光客の体重が年々増えている」と語り、航行への影響に懸念を示していた。
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