生後間もない長男に暴行し意識不明の重体にさせたとして、大阪府警高槻署は27日、父親で無職の中井和人(かずひと)容疑者(31)=高槻市登町=を傷害の疑いで逮捕した。長男は生後約1カ月で病院に運ばれ、今も意識が戻っていない。中井容疑者は「虐待をしていた」と認めており、高槻署は日常的に虐待していたとみている。
逮捕容疑は今年1月23日以降、自宅の府営住宅の一室などで長男に暴行し、頭部にけがをさせたとされる。2月15日夜、風呂から出た母親(19)が長男に心臓マッサージする中井容疑者に気付き、2人で高槻市内の病院に運んだ。転院先の病院が急性硬膜下血腫などと診断、虐待を疑って高槻署に通報した。
高槻署によると中井容疑者方は当時、3人暮らし。母親とは今年10月に離婚している。
母親は中井容疑者について「以前から長男の顔をビンタしたり、揺さぶったりする様子を数回見た。そのたびに引き離したが、『泣き声にいらいらする』と言っていた」と証言している。友人には悩みを相談していた。
高槻市は昨年12月?今年2月までの計6回、子育て支援の一環として自宅訪問や電話で母親と接触していた。2月12日、母親は自宅を訪ねた保健師に「(中井容疑者が)長男の頭をはたいた」と話したが、中井容疑者が家事や育児に協力的との説明もあったため、問題はないと判断したという。