【那覇】8日に那覇市の牧志駅前ほしぞら公民館で開かれたプラネタリウムのイベントで、高校生が星空解説デビューした。開邦高校天文部の3人は、無数に浮かぶ星を見上げながら冬の星座にまつわる神話を丁寧に紹介。「推し星座」などオリジナルの語りを交え、冬の星空に観客を誘った。(社会部・大野亨恭)
挑戦したのは、部長の佐久本和奏さんと小波津紗瑛さんの2年生2人と1年の大木有美さん。大人の同伴が必要など高校生の夜間の星空観察には制限があるため、プラネタリウムでの活動を通じて星空の学びを応援したいと同公民館が持ちかけた。同公民館での高校生の解説は初めてという。
声がかかり「飛び上がるくらいうれしかった」と佐久本さん。3人は星座の書籍を読み直すなど勉強を重ねた。公民館の解説者に指導を受け、4回のリハーサルを経て本番に挑んだ。
「クリスマスツリー星団ともいわれます。今年のクリスマスのころに観察してみるのはどうでしょうか」。こうアナウンスしたのは、星が大好きだという小波津さん。「お客さんが夜、星座を見つけて楽しめるよう解説した」と声を弾ませた。
大木さんは星団が髪の毛の束に見える「かみの毛座」を推しとして紹介した。かみの毛座と出合ったのは小学生の時の図鑑。エジプト王妃が夫のために髪の毛をささげたという物語に引かれた。「マイナーな星座にも魅力がある。みんなも推し星座を発掘してくれたらうれしい」と笑顔を見せた。
月2回のペースでプラネタリウムに通っているという那覇市の立道節夫さん(75)、あい子さん(69)夫妻は「聞きやすくてとても上手。推し星座のアイデアはユニークで本当に素晴らしかった。彼女たちが私たちの推しになった」と称賛。プラネタリウムの操作技師で解説員の福里美奈子さんは「表現が豊かで、それぞれの視点がしっかりある。自分の言葉で伝えられている」と高く評価した。
これまで高校の文化祭で手作りドームで星空解説したことはあるが、定員は最大6人。この日は模試で参加できなかった2年の大城亮太さんは「学んだことをアウトプットする貴重な場」と自身の解説にも意欲を示した。
6月の文化祭では夏の星座を解説する考えだ。佐久本さんは「早速星座を勉強し直し、解説文を作る」と目を輝かせた。推し星座は「かみの毛座」 沖縄の高校生3人、プラネタリウムで…の画像はこちら >>