コメの価格が高騰する中、江藤農水相が2月14日、21万tの備蓄米を放出すると発表しました。流通の円滑化を目的とした放出は初めてで、新潟市のおにぎりを提供する店からは期待の声が上がっています。
【松村道子キャスター】
「コメの価格高騰の影響をダイレクトに受けているのがおにぎり店。備蓄米放出の決定を、期待を持って見つめています」
【わっちのおにぎり 田下廣美 店主】
「(Q.コメは1日どれくらい炊く?)1升5合から大体2升くらい。足りなければ、少しずつ炊いている」
新潟市中央区のおにぎり店。加茂市七谷地区で取れたコメを使っています。
店主の田下さんが注文を受けてからふんわりと握るおにぎりが人気で、この日も「仕事の合間に食べたい」と常連客が訪れていました。
【お客】
「おかみさんの愛情がたっぷり詰まっているので、いつ食べてもおいしい」
お客に愛される一方で、コメの価格高騰は店の経営を直撃しています。販売店から仕入れるコメの価格は、去年秋に新米が出回って以降、1.5倍~1.6倍に。
【わっちのおにぎり 田下廣美 店主】
「ボンと上がった。徐々に上がったのではなくて。その価格はどこから出るの?という…もう、つらい」
こうして利益の減少に直面する中、入ってきた今回の備蓄米放出のニュース。
【わっちのおにぎり 田下廣美 店主】
「やっぱりやってほしい。価格が落ち着けば(自身の店が)産地を特定していたとしても、ほか(の価格)が落ち着くということは、そこも落ちつかざるを得ないと考えているので。やっぱり早く出していただければ」
一方で、疑問も残ります。
【わっちのおにぎり 田下廣美 店主】
「(Q.備蓄米放出は朗報だと思うが、遅い?)遅い。全然遅いと思う。去年(コメが)ないと言った時点で、即やっていただけたらここまでになっていなかったと思う」
「気軽におにぎりを食べてほしい」という思いから、値上げは考えていないという田下さん。
備蓄米の放出でコメの価格が安定する日を待っています。
その備蓄米について江藤農水相は、3月半ばに引き渡しを始めたあと、1週間程度で卸業者に売り渡され、数日から1週間程度でスーパーの店頭に並ぶとの見通しを示しています。
消費者が早期に値下がりを実感できるようになるかが大きな焦点です。