沖縄県中城村による2023年度の防災講演会が3月17日、同村の吉の浦会館であった。NHK沖縄放送局で気象キャスターを務める気象予報士の佐藤沙代子さんが「沖縄の自然災害とその対策」と題して約90人に講演した。
中城村は、海沿いの地域は高潮や津波、その上の斜面は土砂崩れの恐れがある。佐藤さんは、津波の可能性を判断する一つの目安として「マグニチュード(M)7以上で震源が40キロよりも浅い時」と説明。テレビ画面のテロップを見た時の判断基準にしてほしいと話した。
また、緊急地震速報を見聞きしてから強い揺れを感じるまでに「何ができるか」を問いかけた。2023年5月の石川県での地震を受けて気象庁が実施した調査では「5~10秒以内に強い揺れが来た」という回答が24%で、「5秒以内」18%、「10秒以上後」14%が続いた。佐藤さんは「揺れる前におばあちゃんがいる隣の部屋に行ってみる、とか、子どもの布団をかけ直す、でもいい。想像してみて」と話した。
沖縄の過去の災害事例を紹介しながら「津波発生時の避難は徒歩が基本。車だと大渋滞に巻き込まれてしまう」「避難する時は家族の集合場所を決めておいて」などと助言した。
中城村はこの日、村役場で避難所の開設や炊き出し、災害用マンホールトイレの設置などを訓練した。(南部報道部・平島夏実)