石破自民 2009年以来の単独過半数割れ確実 求心力低下必至 野党との連立否定せず

第50回衆院選は27日に投票、即日開票され、自民党は政権交代を許した2009年以来の惨敗を喫した。派閥裏金事件に関係した非公認前職らを含めても単独で定数465の過半数(233)を割ることが確実となった。自民党総裁の石破茂首相(67)は同日にテレビ各局の番組に出演。責任を取って首相を辞任することを否定し、これまでの自民・公明に加えて他の野党も連立に加える可能性を示唆した。
民主党に政権を譲った2009年以来の悪夢が、自民党へと降り注いだ。惨敗が見えてきた午後10時過ぎ。各局テレビの選挙特番番組に出演した石破首相は、赤みがかかった顔に色濃い疲労を乗せ「極めて厳しい状況だと認識している」と敗戦の弁を述べた。
今後も首相として職責を全うするか問われると「そういうこと」と続投姿勢を明確に。「これから先は、我々が掲げた政策の実現に向けて、最大限努力していかないといけない」と今後の首相としての仕事に意欲も見せた。
自公以外に野党と連立を組む可能性については「どの政策であれば一緒にやれるかどうかが優先順位の一番上に来るべきだ」と否定せず。2024年度補正予算案の編成過程で、野党の主張を一部取り入れる可能性を示唆した。連立の枠組み拡大については、すでに森山裕幹事長が18日に言及している。
また石破氏は、大敗の原因については「政治と金の問題について全くご理解をいただけていないということが1番大きかった」と分析。非公認候補へも党が2000万円を支給していたことには「法的に全く問題ない。反論はしたがご理解いただけなかった」と国民が分かってくれないジレンマを口にし「外交、安全保障など個々の論点に議論がいかないで、政治と金について議論が集中した」とこぼした。
自民党が単独過半数割れが確実となったことで、石破首相の求心力低下は必至。首相は政権の維持を図り、物価高対応を含む2024年度補正予算を早期に成立させたい考えだ。ただ、派閥裏金事件で関係議員らが非公認とされた旧安倍派を中心に、党内に首相への不満が募っている。
衆院選では裏金事件に関係した旧安倍派や旧二階派の計15人を非公認とした。人事などで党内のしこりを解消できるかどうかが課題だが、当選した裏金議員を「みそぎ」が済んだとして要職に起用すれば世論の反発を招きかねず、難しい判断を求められる。
関係者によると、首相は11月7日の特別国会召集を検討。首相指名を受け、第2次内閣を発足させる構えだ。

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