「無期雇用派遣」認知率は4割、最大のメリットは?

エン・ジャパンは10月3日、「無期雇用派遣」についての調査結果を発表した。調査は2024年8月1日~9月1日、同社が運営する「エン派遣」を利用するユーザー1,119名を対象にインターネットで行われた。
○「無期雇用派遣」を理解している人は約4割

「無期雇用派遣を知っていますか?」と尋ねたところ、「名称も意味も知っている」と回答した人は39%で、2023年に実施した同調査より16ポイント増加した。また「名称も意味も知らない」と回答した人は、2023年は49%と約半数を占めたが、2024年は29%で20ポイントの減少。認知の広がりがうかがえる結果になった。

無期雇用派遣のメリットを挙げ、魅力に感じる点を尋ねると、トップは「雇用期間に終わりがなく安定して働きやすい」「3年を超えても同じ職場で同じ業務が続けられる」(同率64%)だった。またデメリットを挙げて不安や心配を感じる点を尋ねると、トップは「職場・仕事内容を選びにくい」(52%)だった。

○無期雇用派遣の経験者は8%に留まる

無期雇用派遣での勤務経験を聞いたところ、経験者は8%に留まった。経験者に、無期雇用派遣で働いた経緯を尋ねると、52%が「無期転換ルールで無期雇用派遣になった」と回答。続けて「無期雇用派遣で働いて良かったと思いますか?」と質問すると、「思う」が67%(思う25%、どちらかと言えば思う42%)で好意的な声が多いことが分かった。

○「無期雇用で働いて良かったと思う/思わない」理由は?

無期雇用で働いて良かったと「思う」「どちらかと言えば思う」と回答した人に理由を尋ねると、「お正月やお盆などの連休がある月でも収入が安定するので、安心して働ける。また、仕事を失う不安感が少ないので、就業先でも自分の意見を出しやすい」(30代女性)、「長く関わってきた業務が、契約終了タイミングで大きな山場に。ここで離れると色々と大変なことになりそうで、派遣先の方のお願いもあり無期雇用派遣を選択。引き続き同業務に携わり、プロジェクトの成功を見守ることができ嬉しかった。新たなプロジェクトでも長期的に関わる予定」(40代男性)、「職場環境が変わらないことで、仕事と家庭との両立もしやすく、業務経験を活かすことができたので無期雇用派遣で継続できたのはありがたかった」(40代女性)といった声が寄せられた。

「思わない」「どちらかと言えば思わない」と回答した人からは、「無期雇用派遣で工場勤務していた。月給でボーナスもあるし、皆勤手当も付き給与面はよかった。しかし、派遣先の状況次第では離職の可能性があるという不安は常にあった」(30代男性)、「派遣先の正社員と同等の業務をしていても、給与は派遣会社から支払われるため、給与や賞与に差がある」(40代女性)、「退職しづらくなってしまった」(50代女性)といった声が寄せられた。
○未経験者のうち「働いてみたい」「興味がある」と回答した人は7割以上に

無期雇用派遣で働いたことが無い人に関心を尋ねると、「働いてみたいと思う」は23%、「今は思わないが興味がある」は54%で、計77%が関心を示した。

○「無期雇用派遣で働いてみたいと思う/思わない」理由は?

無期雇用派遣で働いてみたいと「思う」「今は思わないが興味がある」と回答した人に理由を尋ねたところ、「一般派遣での就業はとても安心感があったため、その環境下で無期雇用というのは興味がある。詳しく知りたいと思う」(30代女性)、「3年ごとに新しい職場で新しい仕事をすることも楽しみではあるが、人間関係などが良い職場であれば、長く勤務したい気持ちがあるから」(40代女性)といった声が寄せられた。

「思わない」と回答した人からは、「仕事内容や勤務地、時間など自分の生活に合わせて変更できるという派遣の良さが薄れているように感じるから」(30代男性)、「安定した職を求めているので、紹介予定派遣の方が魅力を感じる」(40代女性)との意見が寄せられた。

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