ラーメンぶちまけ、現金投げる カスハラ被害が深刻化 街で聞いた実態 全国初の条例に効果ある?悪質クレームどうする

「客からの迷惑行為」=カスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」を防止する条例が東京都で全国で初めて可決されました。
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店内にラーメンをぶちまけ、従業員に現金を投げつける。そして、タクシーでも社会問題になっている客による暴言や理不尽なクレーム、「カスタマーハラスメント」。ある調査ではサービス業で働く2人に1人が被害に遭っているという結果も。
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8日、名古屋の街で聞いてみました。飲食店を経営する女性は。(30代・飲食店経営)「入ってきた瞬間から『この店は気に入らない』と言い始める人がいた。(そのお客さんの)オーダーの前に『帰っていただいていいですよ』と言った。大事なお客さんを守るためにも戦わないといけないところがある」大学時代に駅でアルバイトをしていた男性は。(20代・駅でアルバイトを経験)「『なんで人身事故したのか』と言われて、難しいなと思いつつ申し訳ございませんと。10~20人に詰め寄られたりした。アルバイトながら社会の厳しさというか謝るしかないのかなと感じた」(30代・美容師)「商品の割引が始まる期間の、ちょっと前に来たお客さんに『もうすぐだから(割引しても)いいじゃん』と言われたことがある。あまりにも(強く)言われたら『今回だけですよ』と言ってしまった」
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そして、東京都でも被害は深刻です。(東京都 小池百合子 知事:ことし2月)「カスタマーハラスメントが都内企業においても深刻化している。独自に条例化の検討を進める」
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相手への怒りを抑えられないカスハラ。国は法律で取り締まる方針を打ち出していて、東京都では「カスハラ防止条例案」が可決されました。カスハラの禁止を明記し、対象については民間だけでなく公的機関も含むとしています。
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違反者への罰則は設けられていませんが、効き目はあるのか。専門家は?(日本ハラスメント協会 村嵜要 代表理事)「東京都が先陣を切って条例で組み込むことで、一定の効果は期待できるかなと。名古屋とか大阪とか福岡とか大都市も倣って足並みをそろえやすい。今後は全国に広がることを期待」
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東京の新条例について名古屋の人は…。(30代・美容師)「条例ができるのは、すごく働きやすくなっていい」(40代・飲食店経営)「いいのかどうか分からない。それより道徳教育に力を入れた方がいい」
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では”カスハラ”の加害者にならないためには、どうすればいいのでしょうか。(日本ハラスメント協会 村嵜要 代表理事)「誰もが感情的になる可能性があると思うが、そこは一旦グッとこらえて。今から自分が伝えることは正当なクレームなのか過剰なものなのかを冷静に判断してから、できるだけ丁寧な口調で指摘する」
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では、正当なクレームとカスハラの境界線は?(日本ハラスメント協会 村嵜要 代表理事)「正当なクレームは、あくまで現状回復を目指すもの。例えば購入したものに本来入っているものが入っていなかったなど。ミスをしてしまったことに対して更なる対価を求めたり、必要以上の暴言を吐いたりすると、カスハラに該当する」
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また、知り合いがカスハラをした時には。(日本ハラスメント協会 村嵜要 代表理事)「同行者はカスハラを止めないといけない」カスタマーハラスメントについて、日本ハラスメント協会への相談件数は4年間で約12倍に増加しています。東京都のカスハラ防止条例は来年4月に施行されますが、この地方では、三重県が来年度中にカスハラ防止条例の制定を目指しています。また、愛知県は条例制定を視野にカスハラ防止の協議会を立ち上げているほか、岐阜県も労働組合との意見交換を始めています。

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