東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)への出馬を表明している小池百合子知事(71)と蓮舫参院議員(56)が18日、それぞれ公約発表会見を行った。注目候補が同日に公約を発表するのは異例。小池氏は午前に完全オンラインで、蓮舫氏は午後に都内会場で。与野党一騎打ちともいわれる今回の選挙戦を象徴する開戦ののろしとなった。
午前10時。小池氏はカメラに向かってほほ笑み、メディア各社は画面越しにその姿を見つめた。冒頭、オンラインでの公約発表会見について「世の中が急激に変化を見せています。選挙のあり方にも、もっと新しい技術も取り入れたらどうなのかなと思っています」と触れた。
理由については「企業ではオンラインの決算説明会も増えておりますよね。直接的かつ効果的に私の考え方を幅広くお届けするためにオンラインによる発表といたしております」と説明した。関係者によると、参加したメディアは国内外で約120社。「これだけ多くの方々を一堂に集める会場は用意できなかった。平等にしたかった」という。
オンライン会見は、指名された社のみがマイクをオンにして話するという形式。通常の会見で見られる他人の質問中に自分がまくしたてる記者や、順番を譲らずに厳しい質問を連発するシーンも見られなくなる。妨害行為対策など安全面への考慮もありそうだが、スキャンダルに対する不規則質問もなくなる。
この日は会見約40分のうち、質問ができたのはわずか5社。カイロ大学卒業を巡る学歴詐称問題は話題にものぼらず終了し、不満をもらすメディアもあった。
小池氏はのびのびと、この2期8年について「都政の歴史に残る8年だった」「従来の馴(な)れ合い政治、慣例に挑んだ」「明るい未来へと続く道を切り開く努力をコツコツと大胆に重ねてきた」とアピール。公約についてもこれまでの東京大改革の「バージョンアップ」を掲げ、百合子スマイルを浮かべていた。(瀬戸 花音)