自民党「確認団体」で看板隠して小池百合子知事支援へ 逆風下で不戦敗避けたい自民と組織票が欲しい小池氏の思惑渦巻く

自民党は東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)を巡り、3選出馬の意向を固めている小池百合子知事(71)を支援する調整に入った。政党に準じた選挙運動ができる「確認団体」を設立、公明党や小池氏が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」と事実上の相乗りを狙う案が浮上している。近く見込まれる小池氏の正式出馬表明を受けて動きを本格化させる。複数の関係者が7日、明らかにした。小池氏はこの日、都庁で定例会見を行ったが、出馬は明言しなかった。
確認団体の設立案は、「自民隠し」の苦肉の策だ。事実上の与野党対決の構図となる都知事選の告示まで2週間を切り、裏金事件の逆風下で不戦敗を避けたい自民と、神通力に不安を抱え、組織票を必要としながらも自民色を濃くしたくない小池氏の思惑が渦巻いている。
小池氏にとって自民の組織力は魅力的な反面、支持離れを招く不安要素にもなり得る。昨年12月の江東区長選、今年1月の八王子市長選で自公推薦候補を小池氏が応援し勝利するなど、連携の実績を築いてきた一方、裏金事件に伴う自民不信は収まらず、最近の各種選挙では自民公認、推薦候補の黒星が続く。選対筋は「都知事選で自民の看板を前面に出せば小池氏を支持する無党派層が離れる恐れがある」と頭を抱える。
とはいえ、衆院東京15区補欠選挙、5月の都議補選(目黒区)で小池氏が応援した候補も連敗しており、自民幹部は「自民と公明の組織的な支援が絶対に必要になるだろう」と踏む。
距離の取り方に悩むのは小池氏側も同じだ。都民ファ幹部は「表だった動きはせずに、票だけ回してほしい」と漏らした。
そこで浮上したのが「確認団体」設立案。公明や都民ファと相乗りするシナリオを描く。党本部からの推薦は見送る一方、小池氏の掲げる政策をちりばめたビラ配布などで側面支援する。
それでも、自民と同一視される懸念は残る。都知事選対抗馬となる立憲民主党の蓮舫参院議員(56)が“反自民”強調で票集めに動くことは必至。果たして策は吉と出るのか、凶と出るのか。

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