千葉大学(千葉市稲毛区)の学長選の選考過程が不透明であるとして教授や学生らが反発している問題で、同大大学院理学研究院教授会は学長選考・監察会議に要望書を提出した。これまで大学院人文科学研究院、教育学部の各教授会が質問書を提出しており、これで三つの教授会が同会議に質問書や要望書を提出したことになる。
提出は15日付。要望書では、「新学長が本学構成員の支持を得て今後の運営を円滑に進める上で、選出理由を明瞭にすることは極めて重要」とした上で、(1)選考・監察会議の詳細な議事録の開示、(2)各委員が重視した観点の具体的説明、(3)千葉大の「つねに、より高きものをめざして」という理念に基づき、同会議は新学長に選んだ横手幸太郎氏(副学長、医学部付属病院長)の掲げる政策をどう評価したのかの具体的明示―の3点を求めている。
理学研究院長の佐藤利典教授は「選考結果に反対しているわけではなく、教授会の中で『説明が不十分で、なぜ得票数2位の人が選ばれたのか分からない』という声が多かったため、詳細な説明を求めることにした」と話す。一方、同大総務部の担当者は「それぞれの教授会に対して、回答するかどうかも含めて現在検討中」としている。
学長選は1月25日に行われ、学内意向聴取で得票数が1位の山田賢氏(副学長、人文科学研究院教授)ではなく、2位の横手氏を選出。疑義を唱えた人文科学研究院教授会が同30日に選考・監察会議に質問書を提出したほか、教育学部教授会も今月7日に提出。適切な説明を求める学生・卒業生有志によるオンライン署名運動も始まり、19日現在で1万3千人を超す賛同者が集まっている。